パート主婦が妊娠して退職するときの流れと注意点、報告・産休・手続きなど
パートで働いているときに妊娠がわかったら、それを機に退職をすることになる方もいるでしょう。辞める報告をすることになりますが、迷惑をかけないために注意することは何でしょうか。いつ、誰に、どんな形で報告することがベストなのか、職場への報告から諸手続きに至るまで、職場や退職後のマナーをお伝えします。
妊娠の報告は上司・同僚への順番で行う
基本的には、まず上司への報告、それから同僚・仲間への報告という順番で行います。
まず上司に報告・仕事の相談について。妊娠が発覚する時期が多いのが、妊娠2~3ヵ月頃。この時期は、お腹も大きくないですし、言わなければ人からはわからないでしょう。
しかし「プライベートのことだから、退職直前に報告すれば良い」「安定期に入らないと妊娠が確定しないからそれまでは秘密にしたい」などと思っていると、思わぬことで大きな迷惑をかけるかもしれません。突然、通勤途中や社内で悪阻を起こして具合が悪くなったり、早退をしなければならなかったり、切迫流産になりそうだったり、あらゆる可能性を考えることが重要です。
しかも、日々の仕事で引き継ぎを含めた段取りなどをする必要があるでしょうから、何をおいても上司には早めに報告しましょう。
上司に時間を確保してもらって、「妊娠○ヵ月ですが、体調面でご迷惑をおかけするかもしれませんし、今後の仕事についてもご相談させてください。」と報告をしましょう。先に、同僚仲間にだけ報告をしてあとで上司の耳に入ると、「なぜ仕事の上長に先に報告がないのか」と気分も悪くなりますし、それは避けたいものです。
そして、体調が優れないときは、周りの協力が必要になります。上司にだけ妊娠の報告をして仲間内に内緒というわけにはいきませんから、上司への報告の後に、仕事を共にしている同僚仲間にも、朝一か昼休みにでも「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします。」と報告をしましょう。
妊娠報告後の勤務は体調を重視した働き方にする
妊娠を報告済みであれば、普通はどこの会社でも周りが気を遣うことが当たり前です。もし、体調が優れない場合は無理をせずにすぐ申し出るようにしましょう。
法律上も、「パートタイム労働法」に「妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置」という項目があります。通院や勤務時間、休憩について会社が配慮するようになっていますから、体調を第一に考えて行動してください。
限界まで我慢をして、仕事以外でも迷惑をかけることになるのは避けたいものです。
産休制度を活用する場合は引継ぎをきちんと行う
出産で退職するにしても、労働基準法で定めた産休を取ることができます。産前休業ということで、出産予定日の6週間~14週間前から利用できますので、ここを目途に退職することを決めて、上司や同僚などに引き継ぎを相談しましょう。
産休に入る・退職する際には、お世話になった上司や同僚、仲間への挨拶はきちんと行うようにしましょう。
ハローワークで失業保険の手続きを行う
雇用保険に加入していれば、退職後にハローワークで手続きをすると失業保険(雇用保険の失業給付金)を受け取ることが可能です。
通常、「離職日から2年間さかのぼって被保険者期間が12ヵ月あること」「次に就職できる準備や能力があること」などが条件になりますが、妊娠・出産・育児で退職する場合、1つめの条件が「離職日から1年間さかのぼって被保険者期間が6ヵ月あること」でも可能になります。
しかし、妊娠・出産・育児で退職する場合には、そもそも2つめの条件に合わないことになります。ではどうすれば良いかというと、妊娠・出産・育児で退職する場合には、「特定理由離職者扱いで、受給期間を最長4年に延長できる特例措置」を利用することができるようになっています。ここで重要なポイントは、「受給期間延長の申請期間」で、離職から1ヵ月以内に管轄のハローワークに提出することが必要です。
手続きの詳細はハローワークに相談すれば教えてくれますので、前もって会社の人事・総務課などにも相談の上、手続きを進めましょう。
有給も消化して産休に入る
産休に加えて有休を消化するという場合もありますが、有休の計算方法などはこちらの記事も参考にしてください。