パートの辞め方、円満に退職するための理由と伝えるタイミング
どうしても家庭の事情や職場への不満などでパートを辞めたいという場合でも、できれば円満に退社する辞め方で職場を去りたいところです。
主婦のパートさんは近所の職場で働いていることも多く、辞めた後もかつてのパート仲間と町内の行事で一緒になるとか、子どもの関係でつながるとかいうこともあるので、パート先の辞め方はとても重要です。円満退社するための理由と伝えるタイミングなどのいくつかのポイントを紹介します。
この記事の目次
円満退社のためにはできるだけ早めに退職することを伝える
パートで働いている方であれば、生活や家族の事情などで仕方なく退職をしなければならないケースも少なくありません。
例えば、「親の介護が必要になった」「子どもを妊娠した」「住まいを引越しすることになった」といった事情で、やむなくパートを辞めたい・辞めなければいけないというケースです。こうした場合、できるかぎり円満に退職を進められるようにしたいものです。
スムーズな引継ぎのためにできれば1か月前までには伝えたい
後任の方への引継ぎなどの業務をふまえると、退職をしたい場合には、できるだけ早めに退職することを伝える(1か月前であれば余裕をもって引き継ぎなども行えます)ことが円満に退社するには重要になってきます。
勤務シフトの決定や、欠員採用に必要な期間を考えてみると、急な事情でないならば、1ヶ月前までには伝えられるようにはしたいところです。また勤務先によっては、就業規則などに退職意思を伝えるタイミングについての規定がある場合もあるので、一度確認するようにしてみましょう。
事情がある場合でも遅くとも14日前には伝えるよう心掛ける
1か月前には伝えたいところですが、法的なルール(民法第627条)では、退職をするという考えを伝えてから、14日以上経過すれば退職しても構わないという事が決められています(働く期間が定められている有期雇用契約の場合はその限りではありません)。
しかし、仮にあなたが退職意思を示して14日後に強引に退職してしまうと、当然、勤務先にとっては問題になるケースも起こってきます。あなたが抜けた穴をどうするかという問題(勤務シフトの組み直しや欠員採用など)が、解決していないと勤務先に迷惑をかけることになってしまいます。
お互い信頼しあって働いている勤務先であれば、早めに退職意思を伝えることで、互いの状況をすり合わせて、最も双方にとって問題のない退職タイミングを相談して決めることができるでしょう。
余計な混乱を生まないためにまず上司に報告する
パートを辞めたいと考えているとき、誰にどのようにその気持ちを伝えるかも大事です。まずは直属の上司に、しっかりと口頭で「辞めたい」という意志を伝えるようにしましょう。
この時に、いきなり「退職届」などの書類を持っていく必要はありません。パートの場合には「退職届」が必要ないケースもあります。まずは「相談」という形で、時間を取ってもらい伝えるようにしましょう。職場によっては事務処理上の退職届が必要なところもありますが、それは話したときに確認しておくといいでしょう。
仲の良い同僚のパート仲間にまずは相談するケースも多いかもしれませんが、間違っても上司に相談するよりも前に仕事場内で「◯◯さん、辞めるらしいよ」と 噂が広がるようなことはないように注意しましょう。誰かが仕事を辞めるということは、シフトの変更や、引き継ぎの問題などで職場内に混乱や動揺を生む原因になってしまいます。
パートリーダー・後を引き継ぐ立場の人にも事情を話しておく
退職の手続き上は、上司に伝えれば問題はありません。しかし、円満退職ということを考えると、パートのリーダー的な人や、あなたが辞めた後のフォローを実際にしなければいけない立場の人には、退職の事情や迷惑をかけることへの配慮、これまでの感謝の気持ちなどを直接伝えておきましょう。
去る職場の悪口・次の職場のことなどは言わない
もしも人間関係の問題や条件面の不満で辞める場合であっても、そこに残る側からすれば、自分の職場の悪いところを去る人から聞くのは気持ちのいいものではありません。次にいいパート先が決まっているとしても、そのことを取り立てて話さないようにしましょう。
最終的に退職するにあたっては、シフトを調整してもらったり、自分の仕事を引き継いでもらったりと、同僚のスタッフの協力も必要になってくるものです。できる限り混乱を生まないように、また迷惑をかけないように配慮しながら退職に向けての準備を進めるようにしましょう。
退職理由は必ずしも伝える必要はない
パートを辞めたいけど言えない…という時に、なかには退職理由を切り出しにくいというケースもあるでしょう。
職場の人間関係の問題であるケース
特に多いのが「上司との反りが合わず、険悪な雰囲気にもう堪えられない」「パート仲間と打ち解けられない」など職場の人間関係の問題であるケースです。
仕事内容や条件が合わないケース
「思ったより仕事がたいへん」「毎日残業しなければならない」「昇給額が不満」など仕事の内容や条件が合わないケース。
好条件の仕事が見つかったケース
「もっと給料がいい仕事が見つかった」「家の近くで好条件のパートが見つかった」など好条件の職場への転職を考えているといったケースもあります。
さらには、どうしてもプライベートな事情で言いたくないといったケースもあるでしょう。もし退職理由を聞かれても、法的には退職にあたって具体的な理由を勤務先に告げなければならないという決まりはありませんので、聞かれたら「家庭の事情ですみません」というような回答でも問題はありません。
納得してもらいやすい退職理由の例
退職理由は「一身上の都合で退職を考えています」という伝え方で問題はありませんが、「どうして辞めたいの?」と質問を受けることもあるかもしれません。
そうした場合には「理由は言えない」「家庭の事情」ということにしたり、たとえ本当の理由でも「給料が安いから」「人間関係が嫌になったから」などとネガティブな理由を言うのは円満な退社の妨げになるので、あまり良い方法ではありません。
例えば、「親の介護があってどうしても出勤が難しくなってしまった」「生活スタイルの変化がありどうしても続けられなくなった」「将来を考えて次のステップを踏みたいと考えている」というように、言い方を工夫して(嘘をつく必要はありません)、退職に納得してもらえるように伝えることがポイントです。
家族・家庭の変化
「実家の家業を手伝うことになった」
「子どもが受験を控えており、塾の送り迎えが必要になった」
「夫の勤務体制が変わり夕食の準備などで、パートのシフトに入れなくなった」
家庭や家族の変化に伴う退職理由は納得してもらいやすい理由です。
勉強・資格取得
勉強などの前向きな理由も、「そういうことなら仕方がないな」と納得してもらいやすい退職理由です。
まとめ
退職にあたっては、お互いが納得してできるだけ円満に進めたいところです。一方的に退職を考えるのではなく、勤務先の事情もしっかりと考慮しながら退職の手続きを進めるようにしましょう。
さまざまな事情で退職を考えなければならないケースは珍しくはありません。「引き止められるかも…」「了承してくれないかも…」と不安になることもあるかもしれませんが、まずは退職の意志を早めに伝えて相談することが、円満退社のポイントです。
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次に働くところで自分と同じような主婦が先輩として働いていれば、パートの悩み相談もしやすいというメリットがあるのと、例えば子供が熱を出してしまい急に休むような場合、同じ境遇の人がいれば協力しあったり、フォローし合える可能性が高いという点でおすすめです。
自分の心強い味方、仲間がいる職場ならより仕事もしやすくなりそうです。