無断欠勤でバイトを辞めた場合、給料はどうなる?法律と実情を解説
アルバイトをしていると、事情があって無断欠勤してしまうことがあるかもしれません。そのまま連絡をせずにずるずるとバイトを辞めてしまうケースも考えられます。しかし、たとえ無断欠勤が続いた場合でも、働いた分の給与は必ず受け取れる権利があるという点を理解しておきましょう。
ここでは、無断欠勤をした場合の給与に関する法律上の基本ルール、罰則の有無、給料の受け取り方に関する注意点などを詳しく解説します。
この記事の目次
無断欠勤でも働いた分の給与は支払われる
まず押さえておきたい基本的な事実として、アルバイト中に無断欠勤をした場合でも、働いた分の給与は法律上支払われるべきものです。
労働基準法では、労働に対する対価としての給与が必ず発生することが定められています。そのため、無断欠勤を理由に給与が全く支払われないということは、法律違反に該当します。
給与請求権は無断欠勤の有無に関わらない
無断欠勤で退職する場合でも、それまでに働いた時間に応じた給与は必ず請求できます。たとえバイト先とトラブルがあったとしても、この権利は失われることはありません。
ただし、無断欠勤した期間中の給与は発生しません。これは、有給休暇ではない通常の欠勤と同じ扱いとなるためです。
重要なポイント:
- 無断欠勤が続いたとしても、労働した分の給与は必ず支払われるべきもの。
- 働いていない期間については給与が発生しない。
給与に関するトラブルを防ぐためにも、無断欠勤後の退職を考える場合は、バイト先に連絡し、正当な手続きを踏むことが重要です。
無断欠勤に対する罰則やペナルティの注意点
無断欠勤をした場合、バイト先から罰金やペナルティを請求されるケースも考えられます。しかし、全ての罰金が法律的に認められるわけではないことを知っておきましょう。ここでは、罰則やペナルティに関する法律や適用条件について詳しく解説します。
就業規則の確認が必須
アルバイト契約を結ぶ際、労働条件通知書や就業規則に基づくルールが定められているはずです。無断欠勤を理由とする罰金やペナルティが適用される場合、それが就業規則に明記されていることが条件となります。
仮に就業規則に記載がなかった場合、バイト先が罰金を請求するのは法律違反となります。したがって、まずは労働条件通知書や就業規則を確認することが大切です。
罰則には上限がある
罰則が就業規則に記載されている場合でも、労働基準法第91条ではその限度が定められています。以下がその内容です:
- 1回あたりの罰則額は、平均賃金の1日分の半額を超えてはいけない。
- 1賃金支払期における罰則総額は、支払われる賃金の10分の1を超えてはいけない。
具体例で考えてみよう
例として、時給1,200円で1日8時間働くアルバイトを想定します。
- 1回あたりの罰則上限:時給1,200円 × 8時間 ÷ 2 = 4,800円
- 1か月に10日働いた場合の罰則総額上限:
10日間の給与(96,000円)の10分の1 = 9,600円
このように、罰金が上限を超える場合、それは違法となります。バイト先から不当な請求を受けた場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
給料の受け取り方に関する注意点
無断欠勤をして退職した場合でも、働いた分の給与は請求できます。しかし、その受け取り方法に関しては雇用者側の判断が優先される場合が多い点に注意が必要です。
受け取り方法の選択は雇用者側に権利がある
労働基準法では、給与の支払い方法について特に規定がないため、振込や手渡しなど、どのような形で支払うかは雇用者が選ぶことが可能です。
たとえば、バイト先から「直接事務所に取りに来てください」と言われた場合、その指示に従わなければ給与を受け取れない可能性があります。
受け取り時の注意点
無断欠勤が理由でバイトを辞めた場合、バイト先に出向くのは心理的に負担が大きいかもしれません。しかし、以下のポイントを押さえて行動することで、スムーズに給与を受け取ることができます:
- 事前に連絡を入れる:訪問する日時を事前に伝えましょう。
- 制服や貸与品の返却を忘れない:未返却のままだとトラブルの原因になります。
- 謝罪の意を示す:誠意を見せることで、良好な形で問題を解決できます。
給与の受け取りを拒否されるケースはほとんどありませんが、もしそのような事態が発生した場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することを検討してください。
無断欠勤を避けるためにできること
無断欠勤は、バイト先との信頼関係を大きく損なう行為です。どんな事情があったとしても、事前に連絡を入れるだけで多くのトラブルを回避できます。以下は、無断欠勤を防ぐための具体的な対策です:
- 体調不良やトラブルが発生したら早めに連絡を入れる。
- 連絡が難しい場合は、メールやメッセージで事情を伝える。
- 辞めたい場合は、退職意向を早めに伝える。
まとめ:無断欠勤後の対応次第でトラブルを防げる
無断欠勤でバイトを辞めた場合でも、働いた分の給与を受け取る権利は必ずあります。しかし、その権利を主張するためには、正しい知識と適切な対応が必要です。
特に、受け取り方法に関する雇用者側の指示には従うこと、そして罰則がある場合でもその適用が法律に準拠しているか確認することが重要です。
最後に、どのような状況であっても、誠実な対応を心がけることで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに給与を受け取ることができるでしょう。
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無断欠勤によりお店側に損害が発生した場合、さらに大きなトラブルになるケースもないとは言えませんので、注意してください。