ニトリのバイトを徹底調査！仕事はきつい？高校生も勤務は可能？評判について

こんにちは、マイベストジョブ事務局です。「お、ねだん以上」のキャッチフレーズで知られる「ニトリ」のバイトの仕事内容や評判などを、同社のパート・アルバイト採用の加古さんに話を聞きました。

ニトリについて

「ニトリ」は、家具やインテリア用品の企画・販売を行う会社で、1967年の札幌市（北海道）で一軒の家具店としてスタートしました。

同店は、創業者の似鳥昭雄さん（現・ニトリホールディングス代表取締役会長）がアメリカ研修で得た経験をもとに、いち早く家具や寝具、カーテン、カーペットといったインテリア用品のトータルコーディネートに取り組み、統一性のある商品と店づくりを行ってきました。

生活シーンを提案することで徐々に店舗を増やし、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」を企業理念に掲げた同店は、リビングや寝室、キッチン、バス、トイレなど暮らしにまつわる多種多様な商品を扱うホームファニシングストアとして成長しました。

2011年には47都道府県への出店を果たし、現在は国内に526店舗、中国や台湾、アメリカに69店舗を展開しています（2019年11月）。

「使う・買う立場で考える」をコンセプトに、商品づくりや顧客提案を行うニトリのバイトについて詳しく見ていきましょう。

面接について

ニトリのバイトは販売やサービス業が未経験・アルバイト経験がなくてもOK。高校生は店舗により応募可能です。

高校生は店舗により応募可、応募はWebの専用フォームから

ニトリのバイトの応募資格は、パソコンでローマ字入力（簡単な文字打ち）ができる人です。販売やサービス業は未経験、またアルバイトの経験がなくてもOKで、高校生可の店舗もあります。

応募は、同店のホームページや求人サイトの専用フォームから行います。登録後、基本的には24時間以内に同店の採用受付センターから電話があり、応募内容の確認などを行い面接の日時を決めます。当日は、写真付きの履歴書（職務経歴書）と筆記用具が必要です。

面接は店長や副店長など店舗責任者と応募者1対1で行われます。その後、適性検査を受けます。これは性格診断テストのようなもので、15分程度で終わります。

時間は適性検査とあわせて30分～60分ほどです。

適性検査（性格診断テスト）は応募者の個性や人柄を知るためのもので、採否には関係ありません。どういった業務が向いているのかを判断する際の参考として行われます。

面接は応募者の経歴に合わせて質問

面接は、履歴書や職務経歴書に書かれている内容にそって行われ、志望動機や過去の職歴（アルバイト歴）、現在ほかのアルバイトをしているかどうか、勤務ができる曜日・時間などについてヒアリングがあります。

学生や主婦であれば学業や家庭とのバランス、フリーターの場合はダブルワークなのか同店でフルタイムなのか、勤務の希望について伝えることができます。

また、接客や販売の経験者は「これまでどんなサービスに携わってきたのか」「同店ではどういった働き方をしたいのか」、未経験者であれば「インテリアが好き」「販売をしてみたい」など、自分の強みや興味がある事柄を話すこともできます。

同店では、面接用の決まった質問を用意しているわけではありません。応募者ひとりひとりに合わせて進められますが、接客業のためコミュニケーション力がポイントになってきます。そのため、会話を繰り広げる中で、応募者の個性や適性などが確認されていることは頭に入れておきましょう。

面接では、事前に質問の答えを考えることが多いと思いますが、本番ではそれにとらわれず、臨機応変に、そして丁寧に言葉のキャッチボールを行うようにしましょう。

ニトリの仕事・研修について

ニトリのバイトは家具やホームファッションといった売場での品出しやディスプレイ、商品の説明や提案など。レジは会計と梱包、サービスカウンターは伝票の整理や入力、部品発注、問合せ対応などです。

バイトの仕事は家具やホームファッション、レジ、サービスカウンターなど

ニトリのバイトはダイニングセットやソファ、収納といった家具、寝具やカーテン、カーペット、生活・キッチン雑貨が並ぶホームファッション、レジ、サービスカウンターの仕事などがあります。募集要項に記載されているので、応募時に確認しておきましょう。

家具やホームファッションといった売り場の仕事は品出しや店舗ディスプレイ、商品の説明と提案などです。新商品が出たタイミングや季節が変わる時期は、商品の入れ替えやディスプレイ変更がありますが、コンセプトは全店共通です。指示書が本部から届くので、売り場担当者などがレイアウトを考える必要はありません。

レジは会計と梱包、サービスカウンターは伝票の整理や入力、備品発注、問い合わせ対応などです。レジはバーコードで値札を読み取るので会計の間違いは少ないですが、預かる金額やお釣りの渡し間違い、商品の梱包などでは破損しないよう十分に気を付ける必要があります。
サービスカウンターはお店の顔ともいえる場所なので、言葉づかいや接客マナーをしっかりと備えることが大切です。

仕事をするにあたっては、指定のシャツとエプロンが貸与されるので、パンツと靴は自分で用意します。パンツは黒であればデニムでもかまいませんが、ダメージジーンズはNGです。靴は歩きやすい黒いスニーカーなどを用意しておきましょう。

初期研修は3日～5日

入社後の初期研修として約3～5日が設定されており、初日は企業理念や就業規則、売り場のレイアウトなどについて説明を受けます。

2日目以降の勤務で、接客用語や来店者からよく聞かれる質問などについてレクチャーを受けるほか、商品リストを見て取り扱う商品の種類や特徴などを覚えます。また、商品の袋の詰め方、割れ物の包み方なども教えてもらいます。

同店は広く、取り扱う品数も多岐にわたるため「○○はどこにありますか？」といった質問が多いので、売り場配属前に店内を回り、商品が陳列されている場所を覚えます。

初期研修の後は店舗で実務研修を1～2カ月

初期研修が終わると、店に出て先輩と一緒に店舗業務につきます。1～2カ月は、先輩が教育係として仕事を教えてくれます。

まずは品出しからスタートです。商品を手にとり、棚に並べるといった作業を通じて、商品の大きさや質感、機能性といった特徴や場所をしっかりと頭に入れていきます。

業務マニュアルや商品リストなどは、店内の共有パソコンや従業員用のスマートフォンからいつでも確認することができます。また、スタッフはインカムをつけるので、困ったことがあれば先輩などにフォローを求めることができます。

顧客対応でわからないことがあった場合、よくないのは「あのぉ、そうですねぇ」とあいまいな返事をすることです。あわてず「申し訳ございませんが、少しお時間をいただいてよろしいでしょうか？すぐに確認いたします」などと答えることで、来店者の心証もよくなります。

1日の業務を割り振った指示書にそって仕事

同店ではオープン前に朝礼が行われ、店長が各スタッフに割り振る業務を共有します。

スタッフには指示書が配布されるほか、店舗専用のスマホからも自分の業務を確認することができます。
例えば、午前中に商品の入れ替え、休憩をはさんで午後からは寝具売り場の模様替えといった内容で、顧客対応を行いながら業務を進めます。仕事が終わった時点でトランシーバーで売り場の管理者に連絡し、レジやサービスカウンターといった忙しいセクションのサポートに入ることもあります。

スタッフにその日の指示書が出されるのは、「さまざまな業務を効率よく進めてもらうため」といった目的がありますが、「何をすればいいのかわからない」といった状況を作らないように、といった意図もあります。

同店は広く、まわりに先輩や仲間がいない場合があります。近くにいても接客中で、声をかけられないこともあるでしょう。そんなとき「自分だけすることがない」というのは心細く、そういう時間が増えるとバイトへの意欲も下がってしまいます。

やるべきことがあるというのは仕事のモチベーションになるだけでなく、仕事をする人・しない人の差をなくし、スタッフ間の不公平を減らすことにもつながるため、こういった仕組みが導入されています。

仕事の後は業務報告をパソコンに入力

また、バイトの後は日々の業務報告を店舗用パソコンのフォーマット（書式）にそって行います。その際、コメント欄に質問や業務で気になること、気づいたことなどを入力することができます。この項目を見ることができるのは店長、副店長、フロアマネージャーといった役職者だけなので、個人的な疑問や不安を伝えることもできます。質問や相談ごとについては、店長から回答やアドバイスがあります。

同店のような大きな企業は、ブランドイメージを守っていくためマニュアル化されている事柄が多いですが、サービスについては個人の本領にかかわってきます。
システム化され効率よく働ける分、人と人が関わる部分については丁寧に行うことを心がけましょう。

シフト・時給について

ニトリのバイトは、1日8時間・週5日勤務のフルタイムと、1日3時間～週の勤務時間が20時間未満のパートタイムのシフトがあります。

シフトは1日8時間・週に5日勤務のフルタイムと週20時間未満のパートタイム

ニトリのバイトは1日8時間・週に5日勤務のフルタイムと、1日3時間～で週の勤務時間が20時間未満（例えば1日4時間・週に3日など）のパートタイムがあります。

シフトの申請は、毎月20日締めの1カ月単位です。例えば4月21日～5月20日の予定を4月の頭に提出し15日頃に確定されるといった流れです。

シフト例

昼間は主婦やフリーター、夕方から閉店、週末などは学生やフリーターが多く働いています。家庭や学校とバランスをとりながら働けますが、引っ越しが多い春先や大型連休、キャンペーン中などは忙しいため、勤務日や時間の調整をお願いされることもあります。

時給は店舗により異なる。17時以降や日曜・祝日の勤務で基本給に加算

時給は店舗により異なります。

時給例

※上記は平日17時までの時給です。時給は、売り場やレジなど担当するセクションによっても違う場合があります。

昇給は半期に一度の評価制度に基づきます。約100項目のスキルチェックシートがあり、自分自身によるチェックと管理者からのチェックを合わせた評価です。実施しているスキルに応じて加給額が変わっていきます。

また、キャンペーンなどで売り上げ目標を達成した店舗にはインセンティブの支給もあります。

半期の一度の評価内容は、社員になるときも活用されます。社員登用については、半期評価2回、年間評価1回を受けた人、つまり入社歴1年以上で、これら総合点の平均値が4以上の人が対象になります。

社員を希望する際はまず社内試験に応募し、上記評価のほか面接や適性検査などを経て決定されます。

フルタイム勤務から社員を目指す人もいますが、日々の業務を通じて将来はどういった活躍や貢献をしていきたいのか、ビジョンを明確にしておくことが大切です。

社割など福利厚生について

ニトリでは社員割引制度があり商品が1割引で購入ができます。

社員割引制度では商品が1割引に

ニトリでは、入社3カ月後から社員割引制度の利用が可能で、同店の商品を1割引で購入することができます。

お得になるためいろいろと買いそろえ、「これまで以上にインテリアが好きになった」「インテリアに目覚めた」という人も少なくありません。生活を楽しむ人に向け、同店では年に1度、コーディネートコンテストを開催し、スタッフのセンスやアイデアを募っています。自宅のリビングなどを写真に収めて応募すると、社内イントラ（従業員対象の社内向けポータルサイト）に掲載され、入賞者には食事券などの特典があります。

ほかに、熱海（静岡県）や軽井沢（長野県）などにある国内4カ所の保養所を利用することもできます。バイトをしている本人の祖父母や両親、兄弟姉妹、また配偶者（夫や妻）や子ども、孫であれば1泊1000円で宿泊することができます。

また映画の鑑賞券が年間10枚まで、1枚当たり800円～900円で購入できる制度もあります。

同店では、従業員の働き方をサポートするために福利厚生の充実を図っています。休日を楽しんでリフレッシュすることは仕事への意欲にもつながるので、有効に活用されているようです。

健康診断の受診・有給取得も推進

健康診断と有給休暇については、一定の要件のもと、アルバイト・パートに付与することが決められています。
例えば、健康診断であれば週の労働時間が正社員の4分の3以上、有給休暇は半年以上の勤続で所定の労働日数の8割を満たすなどです。

同店の健康診断については、週に40時間勤務するフルタイムだけでなく、週に20時間未満のパートタイムの人も、1年に1度、会社の費用負担で受けることができます（学生は除く）。

有給休暇を取得できるのは、上述のように半年以上の継続勤務の人が対象です。

上記日数を、勤務開始の半年後から取得できます。

同店は有給取得を奨励していて、約9割の人が申請しています。有給制度について周知され、きちんと利用できるのは魅力的な環境と言えるでしょう。

評判や雰囲気について

ニトリでは家具や重量物などを扱うため力仕事を心配する声がありますが、倉庫の荷降ろしは、バックルーム専属のスタッフが行います。

力仕事などは男性スタッフなどがサポート、チームワークで仕事ができる環境

バイトをするとき、仕事がきついかどうかを気にする人が多いと思います。今までやったことがない仕事であれば、なおさらでしょう。

ニトリは、家具など重量物を扱うため力仕事を心配する声がありますが、倉庫での荷下ろしやバックルームへの仕分けは売り場・レジのセクションを担当する人ではなく、バックルーム専属のスタッフが行います。※小型の店舗ではバックルーム専属スタッフではなく、売り場スタッフが行う場合もあります。
バックルームから店に品出しするときは、数が多くある程度の労力を費やしますが、1人ではなく、男性スタッフなどほかのスタッフと協力して行うことができます。

また、店が広いため体力面を不安に思う人もいるでしょう。商品を探しながら歩き回るのは疲れますが、陳列場所を頭に入れ、自分の足で覚えることで動線にムダがなくなり、店内の移動が楽になってきます。

業務に慣れるまでは、頭も体もフル稼働させるのでどんな業種・職種でも大変です。経験の有無にかかわらず、勤務開始からしばらくは疲れを感じやすいものです。仕事を覚えると余裕が生まれ、ストレスも減るので、確実に業務を習得していきましょう。

同店のバイトの多くは未経験からのスタートで、主婦が5割、フリーター3割、学生2割で女性が全体の6割強を占めます。

一部、高校生OKの店舗があるため、バイトをしているのは下は15歳、上は勤続年数20年以上の83歳と幅広い年齢層で、平均年齢は38歳です。

女性が多い、またシニア世代が働いているということは、体力的な不安が少ない証拠と言えるでしょう。

まとめ

ニトリは買い物に訪れる人、そして働いているスタッフの年齢はさまざまです。親子ほど、また親子以上に年が違う人と接することが珍しくないため、自分とは違う世代や生活環境の人とコミュニケーションをとる力が求められます。

そして協調性です。店舗を円滑に運営していくうえでチームワークは必須で、個人プレーでは課題を解決したり、目標を達成したりすることはできません。そのため、まわりの人と言葉を交わして理解を深め、信頼関係を築いていく力が必要です。

なれ合いで調子を合わせるという意味ではなく、多くの人とコミュニケーションをはかり協働するためには、自分で考えて動く主体性や積極性が大切で、自ら働きかける力も欠かすことはできません。

今回取材した加古さんも「個人ではなくチームプレーで物事を成し遂げていける人。みんなで汗をかきながら住まいの豊かさを地域のみなさんに提案していける人」が理想だと話します。

同店は、日経新聞の「私の履歴書」（2015年）に連載された、似鳥昭雄さんの苦労話が話題になったことでも知られています。

会長の人間味あふれるエピソードから、また同店が人づくりに10年の歳月をかけてきた背景から、人材を事業成長の軸にしてきたことがうかがえます。

バイトをするにあたっては、来店者からも、一緒に働くスタッフからも好感を持ってもらえる人柄が求められます。「インテリアが好き」という気持ちと同じくらい、「人と接することが好き」といった気持ちを大切にバイトに取り組んでみましょう。