バイト先をばっくれたら、損害賠償が発生することもある!
バイトのばっくれをすると損害賠償も
バイト行きたくないな、と思うとき。色々なシーンがあると思いますが、ばっくれ(無断欠勤・無断退職)はNG。どんなに面倒でも、勤務先への連絡はしなければいけません。
そもそも労働者には辞める権利も保証されています。民法上、「期限の定めのない雇用契約」のアルバイターなどは、辞表を出してから2週間が経過したら、問題なく辞められることが法的に認められています。
また、期限の定めのある労働者は、その期限が到来したら、契約は終了ということになります。
ばっくれは、職場放棄、すなわち、雇い主と交わした雇用契約に違反するということになります。
働き手はたとえば「◯◯で時給**円で△△という仕事をする」というような契約を雇用主と結んでいますが、それを一方的に放棄するということになります。契約違反によって職場等に損害が発生した場合、その損害を賠償する責任が発生するということはありえます。
損害賠償は現実にはなかなか起こりえない
ただし、現実的に、損害賠償請求をされて、金銭の支払いがなされるということは今のところ滅多にないようです。というのは、以下のような可能性が高いからです。
- 1.ばっくれたことと、損害が発生したことの因果関係を雇用主が証明するのが難しい
- 2.アルバイトの無断欠勤により発生する損害は一般的に高額にならない
- 3.裁判など手続きに費用がかかる
- 4.勝訴しても、請求された側が支払わない、支払えないので回収できない
それぞれ、解説します。
まず1については、例えば、無断欠勤してシフトが困った場合、「緊急で代わりの人材を手配、確保する」ということが必要になりますが、それは雇用主の責任において、なんとかしなければならないものです。
民法第715条では「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」という規定があります。
この規定は、雇い主は、アルバイト労働者が発生させる損害について、<相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき>以外は雇用者が責任を負うということになります。
この点、バイトの無断欠勤は、社会通念上、正社員よりは起こり得ることなので、なかなか<相当の注意>には値しない可能性が高いと考えられます。
2については、せいぜい「代わりの人に発生した人件費」ですが、それも、休んだ人の給与が代わりの人にうつる程度なので、高額にならないのが一般的です。
3は損害賠償請求するためには、雇用者→労働者に対して訴訟を起こす必要がありますが、費用や手続きにかかる手間などを考えると、金額も高額でない場合、現実的ではありません。
4は、なんとか裁判まで進んで、判決が確定した場合でも、労働者の側にお金がなかったら支払ができませんし、差し押さえもできません。さらに、すでにばっくれているため、給与を差し押さえるということもできません。また、回収するまで相手方に連絡し続ける時間も手間もかかります。
以上のように、アルバイト、パートのばっくれで損害賠償責任を追及されるということは、一般的に皆無といっていいでしょう。
ばっくれても給料はもらえる
バイトを月の途中などで無断で辞めてしまった場合でも、それまでに発生していた労働に対する対価として、給料はもらえる権利があります。ただし、雇用契約書や就業規則などに、無断欠勤の場合の規定などが書かれていた場合、損害について費用が引かれる可能性はあります。
ばっくれる前に連絡を
損害賠償請求は滅多にされないとはいえ、ばっくれは働いている人間として重大なマナー違反。お店や上司、先輩、同僚に迷惑がかかることは明らかです。また、一般的にはなかなか損害賠償請求は実行力がないとはいえ、請求される可能性はゼロではありません。安易なばっくれは、自分だけでなく家族にとっても大きな負担、ストレスになりかねません。
休むにしても、辞めるにしても、きちんと連絡をすることが重要です。なおかつ、なるべく早めに連絡しましょう。
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