パートの正式名称って何ですか?<かんたん解説>

「パートの正式名称って何だろう?」パートという言葉は親しみがあり、企業をはじめ一般社会でも馴染みのある言葉ですが、ふと正式名称が何か考えたことがある方もいるでしょう。

今や、非正規雇用者という正社員以外の働き方をする労働者は1,980万人。雇用全体の約3割に当たります。そのうち、「パート」と呼ばれる雇用形態で働く方は961万人にものぼり、全体の48.5%、半数近くを占めているのです(平成27年度厚生労働省統計)。企業にとっては、とても重要な戦力となっていることがわかるでしょう。パートの名称について簡単に解説します。

パートの正式名称は「パートタイム」

パートの正式名称は「パートタイム」になります。パートタイムで働く人を「パートタイマー」ともいいますので、両方の意味を含めて「パート」という呼び方になっているのです。日本では、「パートタイム」というのは、常勤でフルタイムの正社員と区別するために使われ、「短時間労働者」を英語にした言葉「part-time job」からきていることになります。

日本では、パートタイム労働法という法律があり、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義されています。

これにあてはまる労働者は「短時間労働者」とされ、「パート」「アルバイト」「派遣」「嘱託」「契約社員」などが含まれます。ここでは「パート」を取り上げて話を進めていきましょう。

まず、日本で「パート」というと主婦がするものというイメージはないでしょうか。何となくそう考える方は多いかもしれませんが無理もないのです。

高度成長期に女性の社会進出が始まったものの、まだまだ子育てや介護、家事に費やす時間は長く、フルタイムでは仕事ができない女性の間で広まった働き方ですから、「パート」のイメージが主婦になってしまったのでしょう。

今日でも女性の多くが非正規雇用者であることは間違いなく世界共通ですし、ある意味、主婦という層は多いかもしれませんが、言葉の意味を示す語源から考えると、主婦でなくても、独身の若い男性・女性や高齢者でも「パートタイム」で働くことになるでしょう。これでわかる通り、「パート」は老若男女を問わずに広がっているのです。

海外では「パートタイム」はあるが「アルバイト」とは言わない

あなたが、もし、英語で「What do you do ?(あなたは何をしているの?)」と聞かれたとすると、「パート」や「アルバイト」なら「I’m a part time worker.(私はパート〈アルバイト〉です。)」という答え方が一つあります。

海外では「パート」や「アルバイト」の区別なく、「短時間労働者」はすべて「パート(パートタイマー)」という扱いになっていて、アルバイトという英訳もないのです。ちなみにアルバイトはドイツ語からの語源になります。

話を労働時間に戻しますが、海外では「パート」や「アルバイト」で1日8時間以上週5日働いているとすれば、「短時間労働者」ではないですから、常勤でフルタイム稼働している「I’m a full time worker.」という答えになります。

このように、英語では正社員かどうかの区別ではなく、時間で区別することができるものなのです。

法律的には「アルバイト」との違いはない

法律上は「短時間労働者」として上で説明したように、アルバイトとの違いはありません。

ただ、実際には企業側の意識としても「パート」=「女性(主婦)」、「アルバイト」=「学生・フリーター・独身男女」というイメージがあるところが多く、求人募集の際にも「パート募集」と書かれているところは基本的に女性がメインで勤務している職場であることが多いようです。

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