パート履歴書で採用されやすい「志望動機」の書き方と例文

パート履歴書で採用されやすい「志望動機」の書き方と例文

パート勤めをするため、久しぶりに履歴書を書かなければならない。そんな方を悩ますのが履歴書の「志望動機」欄です。履歴書の枠内で一番難しい部分ではないでしょうか。

「こんなことを書いたらおかしいだろうか」「そのまま正直に書いても問題ないのか」「どうやって書けばうまく伝わるか」などと考え出したら、全然書けなくなってしまう状況もよくわかります。

ただ、一番重要である項目が「志望動機」であることは確かで、面接でも欠かせない質問事項になります。ですから、担当者が読んで、書類選考突破に繋がるような“好印象を与える志望動機”を書きたいものです。担当者が「志望動機」を読んで、会ってみたくなる“気になる人”になりましょう。

“好印象を与える志望動機”にするポイント

読み手に気になる印象を与えたり、好印象を与えたりすることは、なかなか難しいことです。そこで、“好印象を与える志望動機”にするための4つのポイントをご紹介します。

1.「自分の言葉で考えましょう」

マニュアル通りやそっくりそのまま例をコピーしたことがバレバレの文章では、通りいっぺんの表現になってしまいますし印象も良くありません。自分が実際にどう思っているのかということは自分にしかわかりません。例文は参考にしつつも、自分で考えて工夫できるところはあります。

2.「文中には具体的な名称、数字、名詞などを盛り込みましょう」

動機の文章の中に具体的な名称、数字、名詞などが入ることで、あなたの現状や過去のリアルな一端が垣間見えます。より説得力を増すためのテクニックとも言えます。

3.「思いを伝えるためには、文の長さに注意しましょう」

1行しか書いていない、もしくは記入枠からはみ出るような長文、どちらも相手にきちんと内容をを伝えるには逆効果です。スペースの7,8割程度を埋めるようなバランスで書くようにしましょう。その際、大きすぎる字、小さすぎる字もNGです。

4.「応募先に関心があることをアピールしましょう」

「応募先はどこでも良かった」のではなく、この会社の○○なところに関心を持っているから応募した、とする方が担当者は嬉しく、ちゃんと明確な理由があることを評価してくれるでしょう。

ストレートに伝えてはダメ!?こんな志望動機はNG

なぜパートで働くのか。その理由はざまざまですが、ストレートに伝えてしまっては、誤解を招くことも。まして、履歴書次第でまず合否が左右されるとすれば、志望動機には慎重になりたいものです。そこで、NGになりそうな内容を挙げてみます。

  • 自宅から勤務地が近いから
  • 世帯収入を増やしたいから
  • 勤務時間がちょうど良いから
  • 休暇や早退の融通がききそうだから
  • すぐ覚えられそうな仕事内容だから

どれも確かに理由ではありますが、パッと見て素っ気なさを感じないでしょうか。実際に本当のことを言っているとも言えますし、短い文章というだけで即、不採用になるわけではありませんが、ここで1行などの短い文だとやはり応募の意欲が感じられなくて、書類選考突破の可能性を低くしてしまうとすれば、とても残念です。

他に良い応募者がいたとすると、並べて比べられたときに不利になりかねません。上に挙げたような動機を書くときには、もっと補足して、自分の事情を書き足すようにしましょう。

NGな志望動機を採用につながる志望動機へ変身させる方法

正直な本心を履歴書上でどう伝えれば良いのでしょうか。実は、書き方の工夫次第なのです。

実際に思っているシンプルな動機=本音の動機と、相手に共感を持ってもらえそうな理由・事情=人間味のある動機の2つを考えてみましょう。この「本音の動機」と「人間味のある動機」の組み合わせで伝えることで、本当に思っていることを好印象で相手に共感を持ってもらえるようになります。

どういう内容になるのか、理由とともに例文をいくつか見てみましょう。

「本音の動機(自宅から勤務地が近いから)」×「人間味のある動機(応募先の印象)」

「朝は子供に手がかかり、満員電車も苦手なため、なるべく徒歩や自転車で通える職場が希望でした。御社は徒歩10分ほどですし、問い合わせのご対応も大変親切でしたので、ぜひ、入社できればと思っております。」

解説

“近くて通いやすい”という「志望動機」を挙げる方は山ほどいますから、履歴書にひとこと書いただけより、プラスアルファがないと他者との違いは難しいのです。

「本音の動機(子育てが一段落したから)」×「人間味のある動機(未経験の意欲)」

「子供も小学校高学年で、子育ての大変な時期が一段落しましたので、社会で新たに自分の可能性を試したく、未経験ながらMOSの資格や3年の海外生活経験が生かせればと思い、応募しました。」

解説

未経験で採用に1歩でも近づくためには、資格や人生経験アピールが一番です。“働く意欲が経験者と競っても同等か、上回る”ようであれば、採用に結びつく可能性はあります。

「本音の動機(家計の収入を増やしたいから)」×「人間味のある動機(前職の経験)」

「子供の教育費や住宅ローンなどで、家計の収入を増やさなければならなくなりました。以前の株式会社○○では経理を8年経験し、決算や給与計算業務などの経験を生かせるのが御社だと思い、応募しました。」

解説

“切実な理由”で“働こうとする意思”が強く見てとれますし、前職と同じ職種アピールで、即戦力として目に留まる確率が高くなります。

「本音の動機(勤務時間がちょうど良いから)」×「人間味のある動機(同僚が知り合い)」

「早朝の時間帯で週3日の募集ということで、扶養範囲内で働くのに適切なこと、御社で働いている知り合いから雰囲気の良い会社だと伺いましたので、ぜひ、御社の一員として働きたいと思いました。」

解説

知り合いが働いているということで、“すぐに溶け込んでコミュニケーションがとれそう”なことや、扶養範囲内でも “確実に働いてくれそう”な期待が持てる内容でしょう。

「本音の動機(過去に経験がある仕事だから)」×「人間味のある動機(子育てのパートさんを優遇しているから)」

「5年前までスーパーのレジをしていました。自宅から徒歩5分、学校の参観や子供の病気での休みが優遇されている御社がレジの募集をしていると知り、10時~14時の勤務時間が許されれば、将来のために働きたいと思います。」

解説

“同じ業界・職種の経験があること”“交通費がかからないこと”“応募先の条件に合わせようとしていること”など、条件のマッチングがいくつかあり、採用ゾーンに近いでしょう。

「本音の動機(決まった時間で帰りたいから)」×「人間味のある動機(サポート力)」

「勤務時間の中で効率的に仕事をするのが自信があります。また前職で取った秘書検定が役立つと思い、御社の事務職に魅力を感じ応募しました。パート業務ですが、電話もパソコンも資料作成も、できる限り自分のスキルでサポートしていければと思っております。」

解説

派手さを求めず、スキルによる“しっかりやりがいのある仕事”を求める姿勢が出ています。社員と同等の仕事レベルをしたい“貪欲さ”が表れています。

「本音の動機(自分が好きなお店だから)」×「人間味のある動機(体験談)」

「数か月前にこちらのカフェに立ち寄り、居心地の良い雰囲気と接客に感心し、パート募集があれば、ぜひ、働きたいと思っておりましたので、今回応募いたしました。自分が感じた、お客様がホッとする接客が目標です。」

解説

実際に立ち寄った時の“臨場感”と“応募先への愛情”が感じられ、スタッフとして働くイメージが浮かび、応募先からすぐ迎え入れたいと思われる“誠実さ”が感じられます。

「本音の動機(単純作業が好きだから)」×「人間味のある動機(持続性がある)」

「集中力に自信がありますので、工場での仕事は適任だと思っております。高校3年間、卓球部のキャプテンだった経験があり、責任感やリーダーシップなどをチーム制業務に生かしたいと応募しました。」

解説

自己分析に基づく“冷静さ”と“責任感”で、静かながらも強力な自己アピール力が出ています。意欲にあふれ、“即戦力”としての期待感が持てる記述です。

「本音の動機(家族との話題ができるから)」×「人間味のある動機(服飾が好き)」

「服飾の専門学校を出て、ブランド系○○で販売をしてきました。高校生の子供とお洒落をしながら、服飾や接客に再挑戦したいと思っております。御社は電車通勤で自宅から30分ですから、無理せず通えることが魅力です。」

解説

新たな再出発に向けての“決意”と“意欲”、家庭では子供との良い関係も伺える、明るいキャラクターを感じさせ、接客に向いている性格を連想させます。

まとめ

履歴書の志望動機に書く内容は、担当者の方があなたに会ってみたくなる内容にしたいものです。1行だけの味気ない文章ではなく「本音の動機」×「人間味のある動機」を組み合わせて、応募の意欲をしっかり伝えることで、次のステップである面接につなげていきましょう。

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