バイト有給休暇の正しい取り方を伝授します。店長や上司はどう考えている
アルバイト従業員も条件を満たせば取ることができる有給休暇の制度。今回はアルバイト先に遠慮せず、スムーズに取れる「有給休暇の正しい取り方」をご紹介します。
有給休暇への上司や店長のホンネ
有給休暇は、申請すればアルバイト従業員でも取得できるもので、アルバイト先はその分の人手の確保や業務の調整をする必要があります。そのため、上司や店長にとって最も気がかりなのは、「その日の業務にどこまで影響するか」です。
本来、アルバイト先は有給休暇が申請されることを前提に業務運営を行うべきですが、会社や店舗によっては、対応に大きな負担がかかっているのが実情です。上司や店長としては、「できれば休まず、いつもどおり勤務してくれると嬉しい」というのがホンネでしょう。
だからといって、有給休暇を取ることについて遠慮する必要はありません。有給休暇は労働基準法によって定められた、全労働者に与えられる権利です。アルバイト先によって、「アルバイト従業員には有給休暇を与えてないよ」「うちは有給休暇制度を取り入れてないよ」などと取得すること自体を拒否するケースもあるようですが、違法行為です。
もし、有給休暇についてうやむやにされていたり拒否されていたりする場合は、自分が取得できる条件を満たしているかどうか以下の記事を参考にして確認し、取得できることを伝えることをおすすめします。
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カドが立たない有給取得の正しい取り方
有給休暇の正しい取り方は、アルバイト先のホンネや現場の状況を踏まえた“伝え方”がポイントとなります。以下の3点を意識しましょう。
次のシフトが決まる前に早めに伝える
有給休暇は事前に申請することが基本で、就業規則で定められた日までに申請すれば問題ないとされています。ただし「正しい取り方」としては、上司や店長がスムーズに対応できるよう、早めに申請することが鉄則です。
目安は1か月前くらい、シフト勤務制の場合はシフトが決定する前に伝えるのが良いでしょう。「明日にお休みいただきます」などといきなり申請した場合、アルバイト先や一緒に働く仲間に想定外の負担をかけてしまうこともあるので、早めに申請することを心がけましょう。
上司には丁寧に直接伝える
有給休暇の申請方法について法律で厳密な規定はなく、口頭だけでOKだったり申請書が必要だったりと、アルバイト先によって異なります。いざ申請というときスムーズに手続きできるように、申請期限や申請方法は事前に確認しておきましょう。
特に決まりがなければ、上司・店長に直接、口頭で丁寧に伝えるのがベストです。理由を詳しく伝えたり、気を使いすぎたりする必要はありませんが、イレギュラーな調整をしてもらうことになるので、「よろしくお願いします」といった言葉を添えて直接伝えましょう。
職場の同僚にも有給を取得することを伝えておく
有給休暇の取得によってイレギュラー対応が発生するのは、アルバイト先だけではありません。一緒に働く同僚も通常と異なるシフトになったり、業務量が変わったりする可能性があります。
そのため、トラブルを防ぐためにも、有給休暇を取ることを同僚にも事前に伝えておくと良いでしょう。特に自分の代わりにシフトに入ることになった同僚や、いつも分担して業務を行っている同僚に対しては、不在期間を伝えておくことでスムーズに対応してもらえます。
有給の権利だけ主張すると人間関係に影響する場合がある
前述で伝えたポイントに共通するのは、アルバイト先や同僚への配慮です。有給休暇は申請すること自体は何の問題もありませんが「法律で認められているんだから、いつでも好きに取っていい」と権利だけを主張するのは、働く人のマナーとして良くありません。
フォローをしてくれる周囲へ配慮のない言動があればマイナス印象につながり、その後の勤務が心理的にやりづらくなる可能性もあるので、注意しましょう。
逆に日ごろからしっかりとした勤務態度で周りをフォローしていると、いざ自分のことで負担をかけてしまうときでも、気持ちよく対応してもらえます。有給休暇を取ることについては、人間関係が重要であることを日ごろから意識しておきましょう。
希望日に必ずしも休めない場合もある
原則として有給休暇は希望日に取ることが可能で、アルバイト先は拒否することはできません。ただし、100%拒否できるかというとそういうわけでもありません。労働基準法に「時季変更権」と呼ばれる規定があります。
「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」
これは有給休暇が「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り「申請された取得日を他の日に変更しても良い」というものです。
常に人手不足だったり、シフト調整が上手くできていなかったりなど、アルバイト先の運営に問題がある場合は「事業の正常な運営を妨げる場合」にはあてはまらないとして時季の変更は認められませんが、こうした可能性があることは覚えておきましょう。
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条件を満たしているにもかかわらず、有給休暇がもらえないというのは法律的に問題がある可能性があります。対処法については上記の記事を参考にしてください。
社会保険制度をきちんと適用しているバイト先であれば、有給休暇の取得も問題なく対応してもらえる場合が多いでしょう。