バイトの履歴書「職歴」の正しい書き方完全ガイド《見本付》
これまでアルバイトしかしたことがない人・まったく働いたことがないという人の場合、「職歴欄をどのように書けばいいのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
履歴書の職歴欄は会社側・雇用側にとって重要な情報源。採用されるためにも、できればマイナスに思われるようなことは書きたくないものです。そこで今回は、選考プロセスで採用担当者に好印象をもたれるバイト履歴書の職歴欄の書き方について解説します。
学歴の書き方はこちら!
職歴の基本の書き方
履歴書の職歴欄は学歴欄と一つになっている様式が多いです。その場合、学歴のあとに1行開けて中央に「職歴」と書き、その次の行から書き始めます。
職歴は経歴の古い順から記載し、職歴の終わりには右端に「以上」と記載します。
記載方法は色々ありますが、ここではシンプルな記載例を紹介します。
職歴なし(初めてバイトする)の場合
高校生や大学生など、今回が初バイトでまだ働いたことがない人は「なし」と記載します。ほかに何も書く必要はありません。
アルバイト経験がある場合
過去にアルバイト経験がある場合は、働き始めた年月と入社・辞めた年月と退社を1行ごとに記載します。
店舗勤務だった場合、お店の名前も記載しましょう。
※「入社(アルバイト)」の部分は、「アルバイトとして入社」と記載する方法もあります。
※入社・退社の表現は勤務先に応じて用い方が変わります。⇓後述
仕事内容をアピールする例
応募先と同業種や同職種、関連するような仕事内容を経験している場合は、経験業務がわかるように記載することでアピールに繋がります。
社員就業経験がある場合
※退社の記載は、「一身上の都合により退職」、「〇〇株式会社一身上の都合により退職」と記載する方法もあります。
※入社・退社の表現は勤務先に応じて用い方が変わります。⇓後述
派遣就業経験がある場合
※「△△会社において派遣社員として××業務に勤務(平成〇年〇月まで)」と記載する方法もあります。
掛け持ちで働いていた場合
掛け持ちやダブルワークで働いていた場合は、時系列で記載します。
現在1つの会社で就業中で新たに別の会社で掛け持ちバイトを始める場合は、次の段落の「現在に至る」を参照してください。
「現在に至る」の書き方
今勤めている会社を退職しておらず、現在在職中であるときは、職歴の最後の行に「現在に至る」、「現在に至る(平成〇〇年〇月末退職予定)」、「現在に至る(平成〇〇年〇月末契約期間満了見込)」などと記載します。
今働いている会社を辞めてアルバイトを始める場合、あるいは既にアルバイトをしていて新たに掛け持ち・Wワークをする場合などに、「現在に至る」という表現を使います。
なお「現在に至る」という言い回しは、学歴欄では使われず、職歴欄にのみ使われますので、この点は間違えないようにしましょう。
「在職中」でも同じ意味
「現在に至る」と同じ意味で「現在在職中」、「〇〇株式会社××店在職中」、「〇〇株式会社××店在職中(平成〇〇年〇月末退職予定)」、「〇〇株式会社××店在職中(平成〇〇年〇月末契約期間満了見込)」としても問題ありません。
※会社名「〇〇株式会社××店」は書いても書かなくてもどちらでもかまいません。
勤務先での”入・退”の書き方
通常の会社に勤務していた場合は、「入社・退社(退職)」の表現を使用しますが、すべてがその表現ではありません。勤務先に応じて使い分けましょう。
会社 | 「入社」・「退社」もしくは「退職」 |
---|---|
病院や個人の事務所 | 「勤務」・「退職」 | 家業の手伝いやフリーランス (会社設立していない) | 「従事」・「退職」 |
公務員 | 「奉職」・「辞職」 |
個人事業 | 「開業」・「閉鎖」 |
会社経営 | 「設立」・「解散」 |
病院や個人の事務所で働いていた
例
平成23 3 〇〇クリニック勤務(アルバイト)
平成23 8 〇〇クリニック退職
会社の店舗で働いていた
例
平成23 3 株式会社〇〇「カラオケ〇〇 ××店」入社(アルバイト)
平成23 8 株式会社〇〇「カラオケ〇〇 ××店」退職
店舗勤務だった場合、お店の名前も記載しましょう。店舗名に業種を含めるとどんなお店で働いていたのかが分かりやすくなります。
※「」やスペースはあってもなくてもかまいません。
店舗で働いていた(会社設立していない)
例
平成23 3 「居酒屋〇〇 ××店」入社(アルバイト)
平成23 8 「居酒屋〇〇 ××店」退職
※「」やスペースはあってもなくてもかまいません。
記入欄が足りない・書ききれない場合
高校生や学生ではあまりないかもしれませんが、社会人経験のある人の場合は学歴・職歴欄には収まらない場合もあります。その場合、学歴よりも職歴が重視されますのでまず学歴を省略します。その後、職歴を省略できる部分は省略して記載しましょう。
学歴の省略の仕方はこちらをCheck!
入社・退社を1行で書く
2行に渡って記載する入社・退社を1行にまとめて記載する方法で書きます。
例
平成12 4 株式会社〇〇アルバイト入社(平成16年8月退社)
職務経歴書を別紙で作る
職務経歴がたくさんあり、それでも書ききれない場合は「詳細は職務経歴書へ記載」と書き、別紙で「職務経歴書」を作り記載しましょう。
職歴では応募する仕事に関係ある経歴があるかがアピールポイントです。職歴が多いことはマイナスにはなりませんので職務経歴書を作成して記載した方がアピールになります。
特に社会人経験の長い方は、ビジネスマナーの観点やアピールの面でも職務経歴書を添付した方が望ましいです。
採用担当者は職歴でココを見ている
アルバイトの履歴書、職歴欄で採用担当者が見ているポイントはズバリ以下の4つです。新卒採用や社員採用とはまた違った視点で採用選考されますので、それを踏まえた記載をしましょう。
仕事経験(働いたことがあるか)
採用担当者がまず最初に見るのは仕事経験の有無です。どのような業種・職種であっても何らかの仕事経験が既にあるのであれば、全くの仕事未経験者よりも高く評価されます。
アルバイトであっても働いたことがある人であれば、それぞれの職場で社会人としてのマナーに関する研修を最低限は受けていますし、実際に働く中で、職場の上司、同僚とのコミュニケーションの取り方や基本的な仕事の進め方(タイムカードの使い方など)を心得ているからです。
アピールpoint!
バイト経験がある場合は必ず記載しましょう。
過去の仕事(職場で生かせる経験をしているか)
次にもし働いたことがあるなら、自社の職場で活かせるような仕事経験があるのかどうかが、採用担当者の注目点になります。以前に同様の仕事を経験した、同じ業界に属する企業で働いたことがあるという場合は、仕事内容も近いためそれだけで即戦力として期待できます。
企業側はアルバイトを採用しても、その会社やお店のルール・業務内容を教える時間もかかります。同業種や同業界であればその時間も短縮できるため、メリットになります。
同じ業界でなくとも、職務経験を活かせる場合もあります。例えば接客の仕事を含むアルバイトに応募する場合、業種を問わず過去に接客業の仕事経験があると評価されるケースもあります。
応募先と関連する可能性のある仕事経験がある場合は、職務内容も記載する書き方でアピールしましょう。
アピールpoint!
応募先と同じ職種・似た仕事経験がある場合は必ず記載しましょう。
過去の勤務期間(継続して働けるか)
採用担当者は過去の勤務期間を見ることで、その人が勤務後にすぐに辞めたりしないか、継続して働き続けられるかどうかを判断します。もし職歴欄に入社後すぐに退職してしまったとの記載があれば、うちに入社してもすぐに辞めてしまうのではないかと不安に感じてしまうわけです。
逆に1つの職場に長く勤めた経験があれば、それだけ採用担当者に良い印象を持ってもらえます。
もし過去に短期間で仕事を辞めた経験がある場合、面接時にそのことを聞かれる可能性もありますので、マイナスイメージにならない回答を用意しておきましょう。
アピールpoint!
長い期間働き続けたバイト経験がある場合は必ず記載しましょう。
初バイトの場合はキャラクターや人間性
仕事経験がある場合は即戦力を期待して上記3つのようなことを見られますが、初バイトで仕事未経験がアウトというわけではありません。
多くのアルバイトの場合は社員採用とは異なり、求める仕事内容や責任も違い大抵の仕事はほぼ誰でもできる仕事です。経験がなくても1ヶ月もすれば問題なく仕事できるものです。ですので職歴欄だけではすべてを判断されません。
初バイトの場合は職歴欄では「なし」との記載になりますので、それ以上はそこで判断はされませんが、それ以外の自己アピール欄や本人希望欄、履歴書の書き方、書いた字の丁寧さなどから、一般常識や人となりを見ています。初バイトで職歴がない場合はそういった点を伝える工夫をしましょう。
履歴書から採用担当者にはこういう風に見える
- 履歴書のような正式な書類をしっかり書ける人 ⇒ 一般常識・社会常識を調べてアウトプットできる人
- 字がへたくそでも丁寧に書いている人 ⇒ 履歴書という書類の意味が分かっている人
- クラブ活動を頑張っているような人 ⇒ 仕事も頑張ってくれるのではないかと思える人
職歴の書き方Q&A
嘘を書くとばれる?
職歴に嘘の経歴を書くと、書類選考の段階ではばれないかもしれませんが、面接の際に過去の仕事経験について詳しく尋ねられることになるので、その際にほぼ確実にばれてしまいます。
もし嘘を書いていたことが分かると、当然ですが採用されることはありません。仮に採用時に嘘がばれなかったとしても、採用後にそれが発覚すれば解雇されることもありますし、会社によっては損害賠償請求をすることもあります。
職歴には嘘を書いてもデメリットばかりでメリットは少ないので、自分の経歴についてはありのままの事実を書くべきです。
省略してもOK?
職歴については、正社員の経験については全て記載し、アルバイトや派遣の経歴については必ずしも書く必要がなく省略しても構わない、というのが一般的な慣例です。ただアルバイトや派遣であっても、希望する仕事と関連がある経験であればアピールポイントになるので書いておくべきです。
正社員経験については、たとえ入社期間が短い場合でも記入するのが基本です。もし職歴を省略して書き、入社後にそのことが判明した場合、会社側との信頼関係を損なう恐れがあります。悪くすると、経歴詐称ということで解雇されるということもあり得るのです。
転職回数が多い場合は、学歴欄の義務教育期間を省略してまとめる、職歴欄の多い履歴書を使う、職務経歴書を添付するなど、書き方を工夫しましょう。
単発・短期のバイト・派遣は書かない方がいい?
単発・短期のアルバイト・派遣については書かない方が無難です。その理由は、職歴には入社年と退社年を必ず書く必要がありますが、その期間が極端に短い場合、採用担当者に「うちにきてもすぐに辞めてしまうかもしれない」というネガティブな印象を与えかねないからです。
ただし、応募先の仕事内容が、単発・短期のアルバイト・派遣で得た経験を活かせそうな場合は記載することをお勧めします。それは逆にアピールポイントにつながるからです。その場合、面接の時に最初から短期間の勤務の契約だったことを説明すれば、マイナスイメージを与えることは避けられます。
また、今回応募するバイトが短期・単発の求人の場合は、勝手がわかっていますので短期・単発のバイト経験はアピールになります。
単発・短期バイトがアピールになる場合・書いた方が良い場合
- 経験(仕事内容など)が活かせそうな場合
- 職歴がひとつもない場合(初バイト)
- 応募求人が単発・短期バイトの場合
併せて学歴の書き方もCheck!
↓履歴書の書き方はこちらをCheck!↓