エルケアのバイトについて採用担当者に聞いてみた!介護の仕事、資格、給料など
こんにちは、マイベストジョブ事務局です。今回は、総合住宅介護サービスを提供するエルケア株式会社の求人の面接や仕事内容について人財採用チームの森下さんに話を聞きました。
この記事の目次
介護業界大手ロングライフグループのエルケア
訪問介護サービスやデイサービスなどを提供するエルケアは2007年に設立された会社で、有料老人ホームやリゾートホテルの運営等でセカンドライフの総合プロデュースを手掛けるロングライフグループのひとつです。
エルケアでは介護や援助を必要とする方の自宅で生活援助、身体介護を行う訪問介護サービスを中心に、入浴などさまざまな訪問ケアサービスを提供するほか通所型のデイサービス事業所を運営するなど、在宅での介護を必要とする方とその家族の日常をサポートしています。
年齢を重ねたり病気を患ったりすることで心身の機能が低下し、支援や介護が必要になるのは誰の身にも起こりうることです。支援や介護を必要としている方を社会的に弱い立場にしないため、同社では介護をサービス事業として捉え利用者ではなくお客様と呼び、「お客様第一」の姿勢でケアサービスを提供しています。
エルケアの主軸となっている訪問介護サービスのケアセンターは大阪府を中心に全国で約70カ所、デイサービスや訪問入浴なども合わせると事業所は約150カ所あります。これらのケアサービスに携わるケアスタッフの数は1800人あまりです(正社員・パートを含む。2018年4月現在)。
ケアサービスを利用する方々のニーズに細やかに応えていきたいと考えている同社で、訪問介護のケアスタッフとしてパートをする際に知っておきたい事柄について紹介します。
応募資格と面接から採用まで
応募から面接の流れ
エルケアの訪問介護サービスのケアスタッフの応募資格は、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級に相当)、介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級に相当)、介護福祉士資格のいずれかを取得している人です。
資格がない人も応募は可能です。その場合は同社にあるロングライフ医療福祉専門学校で資格を取得することが可能です。資格を持たず未経験で入社したスタッフも多くいます。
希望者は求人サイトの応募フォームからエントリー、あるいは電話で応募します。同社から面接日を決める連絡がありますので希望日と時間を伝えます。面接日時は基本的に応募者の予定に合わせてもらえるので、勤務継続中の人も仕事が終わったあとなどに面接を受けることができます。
履歴書(職務経歴書)は、面接当日に持参します。面接場所は応募先のケアセンターで、センター長とエリアを統括する部長または副部長、応募者の原則3人で行われます。時間は30分~60分ほどです。面接の後日、採否の連絡がありますので、採用された場合はエルケアの本社(大阪市北区)で3時間、配属先のケアセンターで1時間、あわせて約4時間の研修を受けます(研修日程は相談のうえ決定します)。
採用者には企業理念や就業規則、あいさつや言葉づかい、立ち居振る舞いといった接遇のマナー、服装のルール、業務上の注意点などが書かれた社員手帳が手渡されます。研修は、社員手帳やマニュアルにそって行われます。
シフトについての要望をすり合わせる
パートの面接ではシフトについて確認があります。週に何回、1日に何時間の勤務を希望するのか、またその時間帯などを確認します。パート勤務の場合は自分の都合に合わせて勤務スケジュールを組むことが可能です。
「子育て中のため、10:00~16:00の勤務を平日5日で勤務したい」「土日中心で勤務したい」「午前中だけの勤務を週3で勤務したい」など、面接時には希望する勤務スタイルをしっかりと伝えるようにしましょう。
志望動機などの質問から人柄を把握される
面接では介護職、そして訪問介護を選んだ理由、前職ではどのような介護を行っていたのかといった質問があります。面接担当者によっては、ストレス解消法、長所・短所などを聞かれることもあります。
介護職を目指した理由は「誰かの役に立つ仕事がしたかったから」「資格を活かし、長く働けると思ったから」、訪問介護の志望動機としては「自分のペースで仕事をしたい」「利用者とそのご家族にしっかり向き合いたい」といった声があります。
「自分のペースで仕事がしたい」といった人の中には、家事や育児と仕事を両立したい、介護福祉士やケアマネージャー(介護支援専門員)の資格取得のための勉強時間が欲しいといった人がいます。ケアマネの業務には在宅ケアの知識が重要になってきます。そのため、訪問介護でケアマネ業務をしっかり把握したいなども理由として挙げられます。
「訪問介護でお客様ひとりひとりに向き合いたい」といった人では、身体介護の技術をきちんと身に付けたいという人、実務経験が浅いため食事準備や洗濯が中心の生活援助で介護の仕事に慣れていきたいといった人もいます。
志望動機などから仕事への姿勢を確認する意図はありますが、会話の中から応募者の人柄を感じたいというのが主な目的です。
面接では相手の話をよく聞いて、無理にとりつくろわず自分の気持ちや考えを素直に話すようにしましょう。「面接では、こう話さなければならない」「こういった話し方でなければならない」といった気負いがあると、ふだんは柔和な人でも笑顔がぎこちなくなる場合もあるので、マニュアルにとらわれず自分の言葉で思いを伝えるようにしましょう。
ケアスタッフの仕事内容について
介護サービスにはさまざまな種類があります。エルケアは在宅介護サービスを総合的に提供していますが、中でも最も事業所数が多いのが訪問介護サービスです。高齢の方だけでなく、障がいを抱えた方にもサービスを提供しています。
訪問介護は生活援助と身体介助が主軸
訪問介護は大きく分けて生活援助と身体介護があります。生活援助は掃除や洗濯、買い物代行などお客様が日常生活を送る上で必要な家事をサポートするサービスです。身体介護は、食事や入浴、着替え、排泄などお客様の体に直接触れることが多いサービスです。
部屋の掃除。食事の準備。生活必需品の買い物。衣類の洗濯(干す、取りこみ、たたむ、洗濯ものの整理収納なども含む)。ベッドの布団カバーやシーツ交換など。
食事の介助。着替えの介助。入浴の介助や清拭(体をお湯とタオルで拭いて清潔にすること)。排泄の介助。体位変換介助(自分で体を動かすことができない人の体位を変えること)。身体整容(洗顔や歯磨き、整髪、爪切り、耳かき、ひげそりなどみだしなみを整えること)。
提供するケア内容によって要する時間は異なります。生活援助で約1時間、身体介護で約30分~1時間30分程度が平均的な長さです。
訪問介護で大切なのは誠実な姿勢
訪問介護は、多くのスタッフが常駐する施設内ではなくお客様の自宅でケアを行います。生活空間にお邪魔するなど、デリケートな部分にかかわるため人間関係が密になります。人と人には相性もあります。プレッシャーやストレスが大きい場合は一人で抱えず、随時、ケアセンターに相談しましょう。相談はケアスタッフのためでもありますが、サービスの質にもつながりますので、きちんと「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を行いましょう。
「ホウレンソウ」は業務上、欠かすことはできません。どんな小さなミスでもきちんと報告し、予防につなげるのが介護の基本です。そのため、ケアスタッフには自分に否がある内容も正確に伝える誠実さが必要です。誠実な姿勢は介護職を離れても求められます。各家庭にはそれぞれ事情があり、ご家族のプライバシーを守る義務は介護職に就いているあいだはもちろん退職後も続きます。信用の上に成り立っているサービスなので、常に節度ある行動が求められます。
訪問時は指定の制服と白い靴下を着用
訪問をする際は上下ともに制服、足元は白い靴下・靴の着用が求められます。制服は貸与されますが洗濯は自宅で、靴下・靴も各自で用意します。
男性、女性ともに髪の色はヘアカラー協会海5番以下の自然な黒色で明るいヘアカラーは認められていません。男性はヒゲ禁止で、髪はサイドは耳にかからないよう、後ろはシャツのエリにかからないように短く切りそろえます。女性は、後ろで束ねられる髪の長さであればひとつにまとめます。なおノーメイクは禁止です。サービス業では、表情が明るく見えるようにナチュラルメイクを施すことがマナーです。エルケアでもマナーのひとつとして、ヘアスタイル、メイクを含め身なりをきちんと整えることが求められます。
アルバイト・パートの時給・昇給について
時給のほか移動手当を支給
時給は生活援助と身体介護で異なり、生活援助で1325円~、身体介護で1795円~です(いずれも処遇改善手当215円込み ※2017年度実績)。
時給は、実務時間に対してのみ支払われます。移動時間に対しては、移動手当として別途1時間890円~960円が支給されます。(勤務エリアによって支給額が異なります)例えば、月に移動時間のトータルが6時間であれば「890円×6時間=5340円」が1カ月の移動手当として支給されます。
エルケアでは、基本的に自転車かバイクで移動します(原則、車での通勤は禁止ですが、エリアにより車移動の場合はガソリン代支給。申請要件あり)。自宅から自転車やバイクで移動できる範囲を基本的なサービス提供エリアとして割り振られます。場合によってはエルケアの拠点に複数登録し、仕事をすることも可能です。
時給はランクアップ制度で昇給
時給アップについては、ランクアップ制度と呼ばれる昇給制度が設けられています。全部で5段階あり、ランクが上がるごとに時給もアップします。
ランクは貢献評価(1カ月のケア時間数)と、質・経験評価(研修に積極的に参加しているか、どれくらい長く同社に従事しているか)などにより評価されます。
ランクは星の数で表され、最高で5ツ星がもらえます。入社時はランク1からスタートし、15時間の実働でランク2にランクアップします(時給アップはなし)。
ランク2になると、1カ月のケア時間が50時間以上で時給20円、80時間以上で40円、130時間以上で80円アップと時給が上がります。
ランク3、4、5へのランクアップは、1カ月ごとのケア時間と入社からの累積ケア時間数、業務の習熟度などが評価のベースになります。
なお、ランクアップの前提として、無断遅刻・無断欠勤がないこと、同社が定める就業規則に著しく反していないことなどが条件となります。
シフトと1日の流れについて
エルケアの訪問介護のアルバイト勤務では週に1日、1日2時間から勤務可能です。1日4件~5件を担当し実働6時間で週に3回勤務、午前中を中心に1件~3件を担当し実働3時間・週に5回勤務など、本人の希望に合わせた勤務が可能です。
担当する利用者のケアプランにより1週間のスケジュールはほぼ決まりますので、大きな変動はありません。
訪問介護サービス 1日の流れ(例)
時間帯 | 業務内容 |
---|---|
9:00 | 出勤。訪問するお客様の確認をし、1件目のお客様宅を訪問。生活援助サービス(買い物代行、調理)を実施 |
10:00 | 移動 |
11:00 | 接2件目のお客様宅を訪問。身体介護サービス(更衣介助、食卓への移乗)を実施 |
11:30 | 移動 |
12:00 | ケアセンターにて昼食・休憩 |
13:00 | 内勤:パートのケアスタッフへシフト連絡 |
14:00 | 3件目のお客様宅を訪問。生活援助・身体介護サービス(更衣・排泄介助、洗濯・調理)を実施 |
16:00 | 移動 |
16:30 | 4件目のお客様宅を訪問。通院・院内介助 |
17:30 | 移動 |
18:00 | 退勤 |
※訪問介護の他にも、デイサービス・訪問入浴のサービスもあります。
友達紹介など各種制度について
友達紹介制度やグループ旅行補助制度が好評
エルケアではケアスタッフによく利用されている制度がいくつかあります。そのひとつが、お友達紹介制度です。既にケアスタッフとして働いているアルバイト・パートスタッフが友人を紹介した場合2万円が支給されます。また、友人が入社月を含め2カ月間ケアスタッフとして勤続した場合、友人にも2万円が支給されます。(正社員スタッフが友人を紹介する場合は支給額が1万円になります)
ほかに、最大旅費の80%(1人あたり上限2万円、グループ上限10万円)を支給するグループ旅行補助制度を利用して、スタッフ同士でオフタイムを楽しむことができます。さらに、同社では観光地として知られる天橋立のほど近く(京都府宮津市)にリゾートマンション型の保養所があり、天然温泉、テニスコートといった設備も充実しているため、家族や友人と利用するスタッフが多数います。
ケアスタッフとその家族、また友人がリフレッシュできる制度は好評で、夏休みやゴールデンウィークといった時期には利用予約でいっぱいになることもあります。
資格取得希望者には支援制度も用意
ステップアップのひとつとして活用されているのが、資格取得支援制度です。たとえば、介護職員初任者研修、介護職員実務者研修の資格をエルケアが運営するロングライフ医療福祉専門学院で学び取得するとします。資格取得後の1年間、エルケアに勤務すると受講料全額を返金してもらえます(規定あり)。
その他、ガイドヘルパーや同行援護、福祉用具専門相談員といった介護業界で役立つ資格取得も可能です。さらに介護福祉士やケアマネジャーの試験に合格すれば、受験料は全額会社が負担してくれます。こういった制度を活用することで実務を通じて介護スキルを磨きながら資格取得を目指したり、ケアスタッフからケアマネジャーへステップアップする人もいます。
さらに正社員登用制度もあり、勤続1年以上であれば年2回実施される登用試験にチャレンジすることが可能です。
まとめ
今回取材をした森下さんは、「ケアサービスには介護技術も必要ですが、現場では『心』が大きく影響してきます」と話します。
「訪問介護は1対1のケアだから不安という方もいらっしゃいます。しかし、1対1だからこそ、お一人おひとりのお客さまとより密なコミュニケーションをとることができるので、信頼関係を築きやすいです。その方だけに集中してケアを提供できるのは、訪問介護の魅力でもありますし、実は初心者でも始めやすい分野です」と話します。
「たとえば、いつも機嫌が悪い方がいるとします。理由もなく怒る人はいないので、まず怒りの原因を探して欲しいと思います。背景には不安が隠れていることもありますので、それを取り除くことで距離が縮まることもあります。対応に困ったときや難しい状況におちいったときはセンターのメンバーで共有し、対応方法や解決策を話し合いながら、チームケアでより良いサービスを目指していきます」と枡田さんは話します。
対応に苦心することも多々あるかと思いますが「あなたがいるから○○をやってみる」「○○さんと一緒ならできると思う」「今日も来てくれた」「来てくれるのを待っていた」など、ケアスタッフを頼りにして訪問を楽しみにしている方がたくさんいます。介護は決してラクな仕事ではありませんが、「いろんなところに家族が増える感覚」と話す森田さんの言葉から、得られるものの大きさうかがえます。
完璧な人はいませんので、相手が好印象を抱く親しみやすい人柄、誠実な姿勢、これら2つを心に留めてエルケアでケアサービスに臨んでみてはいかがでしょう。