バイトの試用期間中に辞める場合でも給料はもらえます

バイトの試用期間中に辞める場合でも給料はもらえます

試用期間と研修期間は意味が異なっています

アルバイト情報などをチェックしていると目にする「試用期間」という言葉。似たような言葉に「研修期間」というのもあって、その違いもよくわからないまま読み飛ばしてしまう人もいるのではないでしょうか。この試用期間について、よく混同される研修期間との違いを中心に解説したいと思います。

過去に、研修期間については解説をしていますので、今回は試用期間について、その内容と違い、辞めた場合について解説します。
研修期間とは、独り立ちするため知識とスキルを身に着ける時期

試用期間=正式に雇うかどうかを企業が検討する期間

試用期間とは、企業側が求職者に対して正式に雇うかどうかを決めるために設けている期間です。おおむね1〜6ヶ月の期間が一般的で、その間に通常の業務を行わせながら、その人の勤務態度や能力などを見ていきます。

これに対して研修期間というのは、その業務を行うために必要な教育を受けさせることであり、通常の業務を行わせることはありません。試用期間と研修期間のハッキリとした違いは、通常の業務を行わせるかどうかというところにあるのです。

ただし、どちらも法的な義務付けなどがあるわけではないので、企業によってはそのへんの線引きを曖昧にしている場合もあります。

本来、試用期間とはその後の長期的な雇用を前提としているので、契約書を取り交わし、きちんとした雇用契約を結ぶものです。

しかし、そもそも正式に雇うつもりのない悪質な会社では、試用期間と称して、不当なお給料や労働条件でアルバイトを募集していることもあり、注意が必要です。試用期間を設ける場合には、就業規則や労働契約書に明記されていなくてはならないので、働く前にしっかりと確認しておきましょう。

もし、書類はないと言われた場合、書類がないと既定の給与すらあいまいになってしまうなど、ますますトラブルの原因にもなりやすいです。採用の段階で、きちんと求めるようにしましょう。

試用期間中、即日辞めても給料はもらえるが、トラブルのおそれもある

試用期間中であっても、就業規則に違反するなど、よほどのことがない限り解雇されることはありません。長期雇用を前提とした期間ですので、会社側も正当な理由がなければ解雇できないのです。

正当な理由とは、例えば履歴書にウソの記載をしていた、理由もなく欠勤が続く、勤務態度に問題あり、など誰の目で見ても明らかな理由です。

また、解雇の通知についても30日前までの予告もしくは30日分以上の賃金支払いが義務付けられており、被雇用者としての権利は守られています。(労働基準法第20条)

ただし給与の面では、試用期間中は時給などが低めに設定されていることが一般的です。最低限、自分が働く都道府県の最低賃金を下回ってないかを確認しておきましょう。

以上のように、試用期間といっても不安になることはありません。長期雇用を前提とした期間であり、簡単に解雇されるというわけではないのです。

最後にひとつ注意したいのは、自分から退職を願い出る場合にも、きちんとした手順を踏まなければならないということです。
試用期間中であっても、最低2週間前には会社側に申し出なければなりません。権利は守られていますが、相応の義務もあるということです。

また、解雇の場合でも、自ら退職の意思を表明して辞めた場合でも、そこまで働いた分だけの給与はもらえます。

ただし、会社に損害を与えて辞めるような場合、給与はもらえるものの、別途、会社から損害賠償請求がなされる可能性があります。もし試用期間中に辞めたくなった場合、就業規則や雇用契約書ををよく確認して、トラブルにならないような退職の手続きをとってください。

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