バイト裏事情・給料の振込口座(銀行)が指定されるワケ
バイト先に指定される銀行口座の理由とは?
アルバイトをしていると、給料を受け取るための銀行口座を指定されることがあります。このとき、普段自分が使っている銀行口座ではなく、バイト先指定の口座を開設しなければならない場合も少なくありません。特に大学進学のために一人暮らしをしている学生や、転勤で引っ越した人などは、もともと使っていた地方の銀行口座をそのまま使っているケースが多いです。しかし、バイト先から都銀やゆうちょ銀行などの指定口座を求められることもあります。なぜ、バイト先は特定の銀行口座を指定するのでしょうか?
その理由の一つは、振込手数料を抑えるためです。振込手数料は銀行ごとに異なりますが、特にバイト先が複数の従業員に給料を支払う場合、そのコストは少なからずかかります。従業員数が少ない場合でも、振込手数料は安くはないため、特定の銀行で口座を開設してもらうことで、その手数料を削減しようとするのです。
例えば、都銀やゆうちょ銀行の口座同士であれば、振込手数料が無料か、少なくとも他行宛に比べてかなり安くなることがあります。特に、バイト先が多くの従業員を抱えている場合、従業員一人ひとりに振込手数料を支払うと、その累積がかなりの金額になります。仮に10人の従業員に対して振込手数料が315円かかるとしたら、1ヶ月で3,150円、1年間では37,800円ものコストが発生します。そのため、バイト先が振込口座を指定することで、コスト削減と事務処理の効率化を図ることができるのです。
給与振込の手数料がもたらすコスト
振込手数料は、給料の支払いにおいて見過ごされがちなコストです。しかし、従業員数が増えると、この手数料が大きな負担となることがあります。例えば、アルバイトスタッフが数十人、数百人規模で働いている場合、そのコストは非常に高額になります。手数料が数百円の差であっても、年間を通して考えるとかなりの金額になるため、バイト先としては、できるだけ安い振込手数料の銀行を選びたいと考えるのです。
バイト先では、口座振込を一括で処理できるシステムを導入していることが多いです。このようなシステムを利用する場合、口座の統一化が重要になります。もし、従業員が異なる銀行口座を使用していると、毎月の振込作業が煩雑になり、管理に手間がかかるため、効率的に処理できるように口座の種類を絞ることが一般的です。
また、銀行との提携関係も振込口座指定の一因となることがあります。バイト先が特定の銀行と業務提携を結んでいる場合、その銀行を指定することで、振込手数料が無料または割引されることがあります。企業は、振込手数料以外にも、借入金利の優遇や融資のスムーズな調整といったメリットを享受できるため、銀行との関係を強化することが企業経営上有利になることも多いのです。
ゆうちょ銀行の人気の理由
振込先として特に人気がある銀行は、ゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行は、全国各地にATMを設置しており、都市部はもちろん、地方や田舎でもアクセスが容易です。郵便局が全国的に展開しているため、郵便局のATMを利用すれば、どこにいても通帳記入ができるなど、便利さが大きな魅力です。また、ゆうちょ銀行同士での振込は無料となるため、バイト先がゆうちょ銀行を利用する理由としては非常に重要です。
全国的なATM網と手数料無料という特徴から、バイト先にとっては非常に都合が良い金融機関です。特に、バイト先が多店舗展開しているような場合には、支払い手続きの一元化や、従業員の便利さという点で、ゆうちょ銀行が選ばれやすい傾向にあります。
また、ゆうちょ銀行は口座開設が簡単で、学生やアルバイトを始めたばかりの人にも利用しやすい金融機関として親しまれています。これも、バイト先としては、新たに口座を開設させる手間を減らすための一つの理由です。
会社の借入と銀行口座の関連性
さらに、バイト先が特定の銀行を指定する理由には、企業間の取引関係が関わっていることがあります。企業が運転資金や事業資金を銀行から借り入れている場合、その銀行と取引をしていることが多いです。その際、給料の振込先としてその銀行を指定することで、企業間での良好な取引関係を築くとともに、融資の条件が優遇されることが期待されます。つまり、バイト先としては、給料振込口座を指定することで、銀行との関係強化を図っているのです。
振込手数料は会社負担が原則
アルバイトの給料は、労働基準法第24条に基づき、企業やお店が従業員に対して支払うべき金額を全額支払う義務があります。このため、振込手数料が発生した場合、その手数料を従業員が負担することは違法となります。振込手数料は、あくまで企業側が負担するのが原則です。つまり、バイト先が給料の振込手数料を引いて支払うことは、労働基準法違反に当たります。
もし、振込手数料が引かれている場合は、すぐにバイト先に確認し、必要であれば改善を求めることが重要です。場合によっては、労働基準監督署に相談することも一つの手段となります。また、税金や社会保険料の控除がある場合を除き、振込手数料は企業側が負担しなければならないことをしっかりと認識しておきましょう。
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