アルバイトやパートの税金・住民税・配偶者控除

税金については、少し難しく感じるかもしれませんが、パートやアルバイトで働く場合にかかる税金の基本的な知識を理解することは、働く上でとても大切です。税金を正しく理解し、楽しく働きながら納税をきちんと行いましょう!

パートやアルバイトの税金って、どうなっているの?

◆ 所得税とは?

所得税は、個人が得た「所得」に対して課せられる税金です。パートやアルバイトで働いて収入を得た場合、その収入に所得税がかかることがあります。しかし、全ての収入に税金がかかるわけではなく、一定額までは非課税となるため、まずその仕組みを理解しておきましょう。

所得税「103万円の壁」

「103万円の壁」という言葉をよく耳にすることがあるかと思います。これは、パートやアルバイトでの収入が年間103万円以下の場合、所得税が課せられないという制度です。このため、特に主婦や学生などのパートタイム勤務者は、103万円以下に収入を調整することがよくあります。例えば、パートタイムで働いている方が、年間収入が103万円を超えないように勤務時間を調整するなどの対策を取ることが一般的です。

では、103万円を超えてしまった場合はどうなるのでしょうか? たとえば、年間給与収入が120万円だった場合、120万円から103万円を差し引いた残りの17万円に対して所得税がかかります。ただし、全ての収入に税金がかかるわけではなく、103万円を超えた分だけに課税されることになりますので、収入が103万円を少し超えた場合でも、税負担はそれほど大きくはなりません。

(※)所得税は、給与収入から給与所得控除額や基礎控除額38万円を差し引いた後、残りの所得に対して課税されます。このため、実際に課税される金額は、収入の全額ではなく、控除を受けた後の金額に基づいて計算されます。

◆ 住民税とは?

住民税は、居住地の自治体に支払う税金で、その年の1月1日現在で居住している場所に課せられます。具体的には、道府県民税と市町村民税を合わせたものが住民税として計算されます。住民税は、所得税とは違って、給与などの収入に関係なくある程度の金額が必ずかかるため、特に注意が必要です。

住民税の算出方法とは?

住民税には、収入にかかわらず一定額の税金が課せられるため、所得税における「103万円の壁」のような基準は存在しません。しかし、住民税は二つの方法で算出されるため、それぞれの基準を理解しておくと良いでしょう。

  1. 所得割

住民税の「所得割」は、その年の所得に基づいて課税されます。年間給与等の合計が100万円以下の場合は、所得割はかかりません。このため、一定の収入額以下であれば、住民税はかからないことになります。

  1. 均等割

均等割は、所得の額にかかわらず一定額が課税される仕組みです。例えば、自治体によって異なりますが、税金がかからない収入の基準が「100万円以下」「96万5千円以下」「93万円以下」と設定されているところもあります。住んでいる市区町村に確認して、具体的な基準を把握することが重要です。均等割は、どんなに収入が少なくても一定額が課税されるため、収入が少ない方も少なからず影響を受ける可能性があります。

(※)自治体によって税率や税額が異なるため、詳しくは居住地の市区町村にお問い合わせください。

◆ 配偶者控除はどうなるの?

配偶者控除は、配偶者の収入が少ない場合、納税者である夫または妻が税金の軽減を受けられる制度です。この控除を受けることで、納税者自身の所得から一定の額が差し引かれ、税負担が軽減されます。

・配偶者控除とは?

配偶者控除は、配偶者が無収入または少収入である場合に、納税者の所得金額から一定額が控除されるものです。例えば、妻がパートで働いている場合、妻の収入が一定額以下であれば、夫は自分の税金から38万円を控除されます。このため、配偶者控除を受けられるかどうかが税負担に大きな影響を与えることになります。

・妻の収入が「103万円」を超えてしまった場合

配偶者控除を受けられる基準は、妻の収入が103万円以下であることです。もし妻の収入が103万円を超えてしまうと、夫は配偶者控除を受けられなくなります。この場合、妻自身も所得税が課税されることになりますので、収入が103万円を超えないようにするか、配偶者特別控除の適用を考える必要があります。

妻の収入が103万円を超えても、一定の条件を満たせば「配偶者特別控除」を受けることができます。具体的には、妻の収入が141万円未満であり、夫の所得が1,000万円以下の場合に配偶者特別控除が適用されます。配偶者特別控除の金額は、妻の収入に応じて変動しますので、収入が増えると控除額も段階的に減少します。

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