バイトで裁量労働制の仕事と言われたら、業務内容をよく確認して

バイトでは裁量労働制は基本的にありえない

難しい響きの「裁量労働制」。その意味について正しく理解しているどころか、見たことも聞いたこともない、という人も少なくないのではないでしょうか。

裁量労働制とは、仕事の進め方やそれにかかる時間配分を個人に任せる(=「個人の裁量で労働をしてもらう」)という制度です。まず会社や職種によってそれぞれ、この仕事内容ならこれくらいの労働時間が必要だろうという「みなし労働時間」が定められます。

例えばみなし労働時間が1日8時間とされていれば、その人の1日の労働時間が5時間でも10時間でも「8時間働いた」とみなされるのです。このとき、8時間を超えた分については残業代はつきません。

ようするに、忙しくても忙しくなくても、支払われるお給料が決まっているのです。暇なときのお給料が、忙しいときの残業代として支払われるようなイメージで考えると良いでしょう。

この仕組みは、正規雇用における一部の特殊な仕事に限られており、出勤・退勤時刻が決まっており、給与も1時間あたりいくらと時給などが決まっているような「アルバイト・パート」の雇用形態では設定されません。もしも「このバイトは裁量労働制だから」などと面接、採用時に言われた場合、どういう仕組みなのか、詳しく確認したほうが良いでしょう。

おもな職種は研究職、プログラマーやWEBデザイナーなど

上で説明したように、このような裁量労働制を取り入れている職種はある程度かぎられています。

具体的には、研究職や制作に関わる仕事など専門性の高い職種や、プログラマー、WEBデザイナー などIT関連のクリエイティブな仕事が目立ちます。いずれも仕事内容からして、固定された業務時間を決めておくことが難しい分野といえます。みなし労働時間は仕事に必要なスキル、能力や1つの案件、業務のボリュームなどを考慮して設定されています。

また、同じ会社の中でも、この制度を取り入れているスタッフとそうでないスタッフがいる場合もあります。担当する部門や仕事の内容によって会社が決定しています。

裁量労働制のメリット・デメリットについて

この裁量労働制については、メリットとデメリットがあります。

まずメリットはやはり、働く人が自由な時間配分で仕事をできるということです。1日の労働時間がどんなに短くても、みなし労働時間でみてもらえるので、自分のスケジュールで動くことができます。好きな時間に出社して、外出も自由という場合がほとんどなので、仕事さえこなせば、あとは自由に過ごすことができるのです。

デメリットは時間外勤務の管理ができない分、サービス残業の温床になりかねないということです。どれだけ忙しく働いても原則として残業代は出ないので、会社側にしてみれば残業代カットの口実になり得るのです。

自由な面だけをみれば良いことばかりのような気もしますが、反対に仕事がものすごく忙しいときでも同じお給料で働かなければなりません。極端にいうと徹夜で残業しようが、暇なときと同じだけのお給料しかもらえないのです。

以上のように、裁量労働制の仕事には、そのメリット、デメリットと自分の働き方をどうしたいかをよく考えた上で応募するようにしましょう。

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