接客のバイトで身に着けるべき正しい敬語とよくある間違い用語

お客様と直接やり取りをすることが多い、接客のバイト。接客が中心となる飲食店などでは、マニュアル化した挨拶表現を使うところが増えています。

マニュアルでは、正しい敬語の使い方を教わっているはずですが、バイトに慣れてくると、他のスタッフの影響などで、間違った言葉遣いをしている場合があります。間違った「バイト敬語」に慣れきってしまうと、就職活動のときに悪影響が出たり、お客様とのトラブルのもとになったりしてしまいます。

お客様が「あれ?」と思うような敬語を使わないようにするためにも、一度、自分の言葉遣いを見直してみることをおすすめします。今回は、正しい敬語、よくある間違った用語の使い方について解説します。

尊敬語、謙譲語の違いは相手を高めるか、自分がへりくだるか

「尊敬語」と「謙譲語」は学校でも習う敬語の種類ですが、「尊敬語」は相手を高めるときに使い、「謙譲語」は自分をへりくだり、(その結果として)相手を高める場合に使います。丁寧語は聞き手に対して丁寧な言い方をする言葉で相手・内容を問わず、「です」「ます」「ございます」というような言い方をします。

バイトの接客時によくある間違いと正しい言い方6パターン

1.お金を受け取るときの「~から」

×「1,000円からお預かりいたします。」
◯「1,000円をお預かりいたします。」

よくやりがちな間違いですが、金額に「○○円から」をつけるのは誤りです。「○○円をお預かりします」が正しい表現です。

2.確認時の「よろしかったでしょうか」

×「ご注文はアイスコーヒーでよろしかったでしょうか?」
◯「ご注文はアイスコーヒーでよろしいでしょうか?」

敬語の使い方でよくある間違いに、「でよろしかったでしょうか」というフレーズがあります。過去形ではなく、今確認している「よろしいでしょうか」が正しいです。

3.ものを指し示す「~のほう」

×「食後のデザートのほうは、今お持ちしてよろしいでしょうか?」
◯「食後のデザートは、今お持ちしてよろしいでしょうか?」

「~のほう」は、「~からのお預かり」の「から」と同じで、必要ありません。「ほう」は方向を示したり、話題をぼかすしてへりくだるとき使いますが、1つに決まっているものを指し示すときは使いません。

4.ものを指し示す「~~になります」

×「お待たせいたしました。こちら、アイスコーヒーになります。」
◯「お待たせいたしました。こちら、アイスコーヒーでございます。」

「~になる(なります)」は変化を表す意味があります。この場合、何かがアイスコーヒーに変化するということではないので、「~です」「~でございます」と伝えるのが正しいです。「~をお持ちいたしました」でも良いでしょう。

5.名前を確認する「頂戴できますでしょうか?」

× 「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか」
◯「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「頂戴できますでしょうか」の「頂戴」は「もらう」の謙譲語なので、「聞く」の謙譲語の「伺う」が正解です。また、お願いをするわけですから「恐れ入りますが」をつけると丁寧になります。

6.選んでもらうときの「どれにいたしますか?」

×「お飲み物はどれにいたしますか?」
◯「お飲み物はどちらになさいますか?」

「いたす」は自分が「する」ときに使う謙譲語なので、お客様や上司に対して使うのは間違っています。尊敬語である「なさる」が正しい敬語です。

会話を録音して癖を直そう

自分で正しい敬語を使えているかどうか、これは指摘されるまでなかなかわかりにくいものです。上司や店長に聞いてもらったりするのも良いですし、自分の通常時の言い方や表現をスマホ等で録音して聞き直す、という方法も有効です。

正しい敬語を使うことは、お客さまや上司からの評価もあがり、自分にとってもプラスになること。一度身につけば一生苦労しませんから、今のうちに気をつけておきましょうね。

敬語はお客様だけに使うものではありません。社内、職場の先輩や上司にも正しい言葉遣いが必要です。
大手企業やチェーン店など、マニュアルがしっかりしているところだと、研修で正しい言葉の使い方を教えてもらえるところもあります。

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