バイト先でチップをもらう場合、もらったお金の3つの考え方

チップはもともと日本にない文化。受け取る側の解釈もむずかしい

昔は日本でも「心付け」というかたちで、旅館の仲居さんなどにチップを渡すことはありましたが、そもそも海外のように「チップ=必ず払うもの」という文化はなかなか根付かないのが現状です。まずはこの点で、渡す側の認識もさることながら、受け取った側のチップの行方について、もらった側はどうすればいいのか、判断しづらい状況があります。

欧米ではカフェやレストランの店員は、そもそもチップをもらうことを前提にしています。そのため時給自体が低く設定されていることがほとんどで、チップはお給料の一部とみなされています。

お店や働く場所によっては、そのうちの何パーセントかをお店へバックするというシステムもよくあることですが、いずれにしてもチップに関する考え方が、払う側・受け取る側・雇い主の間で、ある程度共通しているのです。しかし日本ではそういうわけにはいきません。

チップの文化のある欧米と同じような解釈がそれぞれに浸透せず、むずかしいという事情があるのです。

チップは誰のものかは、お店や上司しだいで解釈がわかれる

日本では働く環境や上司によって、チップの解釈は大きく3つに分かれます。

まず1つめは、お客様からのチップをお店やスタッフ全体への感謝の気持ちと受け取る場合です。この場合はそのお金がスタッフ全員に還元されるように、みんなで食べられるお菓子の差し入れや、飲み会の積立などにまわしたりします。中には、お店や事務所にチップをためておく大きな貯金箱のようなものがあったりします。

2つめは欧米と同じように、個人に対するものだという解釈です。この場合はいただいた人がそのまま受け取ることになります。

あいまいなことが多いですが、お店によってはルールを明確にしているところもあります。はじめてチップをもらったときなどのタイミングで、きちんと確認しておくと良いでしょう。

3つめは、チップを売り上げとして計上させるお店もあります。売上であれば給与に反映させるべきという考えもありますが、さらに、ひどい上司であれば、自分のポケットマネーとして取り上げてしまうようなケースもあります。

その場合は、不正行為を働いていると言えるので、さらに上の上司や本社などに報告をするほうが良いでしょう。悪質なケースでは、チップの件だけでなく、他にも不正を行っている可能性もあります。

チップ?報酬?受け取ること自体が問題となるケースもあるので注意しよう

飲食店などであれば、チップとして受け取ることでほぼ問題ありませんが、なかには注意が必要な場合もあります。例えば販売などのお仕事中、お客様とのやり取りのなかでもらう場合。また、引越し会社でのアルバイト中にもらう場合などですね。

渡す側が「チップ」という認識であれば問題ありませんが、「報酬」として支払ったという認識ならば問題です。
つまり、あなたがいい仕事をしてくれた事に対して満足、感謝の気持ちをもって、あるいはこれからのあなたの成長に期待をして払われたものであればチップですが、労働の対価としての「報酬」であれば、お店がサービスを提供した結果としての金銭なので、それはお店の売上などになります。

チップの場合、渡すほうも慣れていれば「これはチップね」「お昼ごはん代にでも」などとチップであることが明確にわかるように伝えてくれることが多いです。

そういう渡され方ではなかった場合、グレーゾーンをなくすためにも、いただいたものは会社や上司にきちんと報告し、確認をすることが大切です。

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