明光義塾のバイト徹底解剖!面接、服装、気になる給料や評判は?

こんにちは、マイベストジョブ事務局です。全国に1,862教室(2020年8月期時点)を展開する個別指導の「明光義塾」のバイトの面接や服装、給料などについて、明光義塾本部の本間さんと大久保さんに取材しました。

明光義塾について

明光義塾は1984年にスタートした個別指導塾で、個別指導のパイオニアとして現在は47都道府県に2000教室あまりを展開しており、日本最大級の規模を誇ります(直営200教室以上、フランチャイズ加盟は1500教室以上)。

同塾では、小学生、中学生、高校生の個別指導に対応していて生徒数は約13万人です。日本の小中高生の人数は1300万人ほどなので100人に1人は同塾に通っていることになります(文部科学省:文部科学統計要覧・2017年版)。

同塾では、一方的に生徒に知識を詰め込んでいく「ティーチング(教える)」スタイルの授業ではなく、「生徒が自分で考える」「考えたことを自分の言葉で話す」「話すことでより一層理解を深めていく」といった「振り返り」を重視した授業形式を取り入れています

「振り返り」は、対話を通じて自ら考える力を育み、自発的な行動を引き出す手法のひとつとで、企業などの人材育成にも導入されています。

講師が話すのではなく「生徒が話す授業」を実践する同塾について紹介します。

明光義塾では講師が話すのではなく生徒に話させる指導を実施しています。

明光義塾では講師が話すのではなく生徒に話させる指導を実施しています。

面接について

未経験者OK、その人の「やる気」を重視した選考をしています。

明光義塾の講師は専門学校、短大、大学、大学院に通う学生、またこれらの卒業者が対象で、
未経験者の応募も積極的に採用しています。担当科目は英語、数学(算数)、国語、理科、社会です。

バイト希望者は、各教室の求人用フォームか電話で応募します。基本的には当日か翌日には各教室の担当者からメールか電話で連絡があり、面接日を調整します。面接日から3日以内には採否の連絡があり、採用されると希望日から応募先教室で勤務がスタートします(教室により異なる場合があります)。

面接当日は担当者との質疑応答のほか、学力テストと適性検査が実施されます。(教室により、適性検査がない場合もあります)

 

学力テストや適性検査のあと、面接が始まります。面接は教室長と応募者1対1で行われ、時間は30分程度です。

面接では志望動機のほか、自分が目指す講師像について質問

面接では「なぜ明光義塾を選んだのか」(志望動機)、「どんな講師になりたいのか」(講師としてのビジョン)、「得意な科目は何か」(担当希望科目)、「何曜日に何コマ担当できるか」(希望シフト)といった質問があります。

志望動機では、

  • 大学生の場合
    「明光義塾の先生に指導してもらったおかげで希望校に合格した。
    今度は、自分が先生になって生徒の力になりたい」
  • 主婦(夫)の場合
    「子どもに勉強を教えるのが好きだから」
  • シニア層の場合
    「教師として定年を迎えたけれど、できる限り教育に携わっていきたい」

など、さまざまです。

講師としてのビジョンは、

  • 大学生の場合
    「生徒にとって、いろんな相談ができる
    『お兄さん(お姉さん)』のような存在になりたい」
  • 主婦(夫)の場合
    「わが子の受験を何度か経験しているので、
    生徒と保護者、それぞれに寄り添った指導を目指したい」
  • シニア層の場合
    「勉強以外にも、言葉づかいや礼儀作法など、
    生きていく上で大切なことを生徒に伝えていきたい」

といった声があります。

面接では応募者の言動に矛盾点がないかどうかを確認

生徒にとって講師は、学力を上げたり、志望校合格をかなえるための重要なパートナーです。受験は生徒の進路を左右する大事なステージなので、講師には「生徒の人生にかかわる大切な仕事だ」といった自覚が必要です。

それゆえ面接では、生徒から慕われる素養の持ち主かどうか、生徒と誠実に向き合える人柄かどうかを確認されます

たとえば「時間を守ることは社会人の基本なので、生徒には社会に出て役立つルールなども教えていきたい」と話しながら、本人が面接時間ギリギリに来ている場合は、言葉と行動に矛盾があると判断され、面接担当者の信用を得ることができません。

人間性が重視されているので、無理に自分を装うのではなく、正直な気持ちを伝えるなど、本来の自分を知ってもらうのが良いでしょう。

仕事について

明光義塾では1回の授業で3~4人の生徒を担当します。

明光義塾では1回の授業で3~4人の生徒を担当します。

1回の授業で3~4人の生徒を担当

明光義塾の1回の授業は90分で、3~4人の生徒を担当します。自分が担当する生徒が座る個別ブースの中央に待機し、各生徒の授業を進めます

英語、数学(算数)、国語、理科、社会といずれの教科も振り返りノートが用意されていて、生徒はこのノートを使います。
生徒がつまずきやすい問題や理解できていない部分など、復習ポイントを把握できるように工夫されているので、次回の授業の参考にすることができます。

生徒担当の例

担当科目複数の場合
小学6年生(国語)、中学1年生(英語)、中学2年生(英語)、中学3年生(数学)
合計4人
担当科目1科目の場合
中学1年生(英語)、中学2年生(英語)、中学3年生(英語)
合計3人

「振り返り」を重視した授業を実施

生徒の指導にあたる場合は、各個別ブースで生徒の横に座りマンツーマンで授業をします。生徒たちが問題に取り組んでいるあいだに、個別ブースで1人の生徒に指導を行うといったイメージです。

同塾の授業は、講師が生徒に勉強を教えるティーチングではなく、「問いかけて聞く」というコーチング形式を取り入れています。

授業では生徒が自分で考えて、わからないところを自分で調べたりしながら答えを求めていきます。答えを出した=自分がわかった内容を、たとえば「○○について、△△だから□□の答えにたどり着きました」といった具合に、生徒が自分の言葉で講師に説明します。自分で考えてわかったことを講師に説明することで、取り組んだ問題への理解をさらに深めていくのが目的です。

講師は生徒がその日に取り組む学習内容を予習した上で、生徒が問題を解けずに悩んでいるときは、答えを教えるのではなく答えにたどり着けるようにヒントを出すのが同塾のメソッドです。

生徒は講師に説明した内容を「振り返りノート」に記録していきます。説明・記録といった工程を経て、学習内容をしっかりと自分のなかに落とし込み、学力の定着を目指します。

講師はこの「振り返りノート」をチェックして、生徒が「わからないこと」の項目で書いている課題について答えを書くのではなく、「次の授業でもう一度確認しよう」といったコメントを書き込み、次回の授業で再度取り組みます。

授業準備のほか、授業の報告書作成も講師の仕事で、報告書は授業内に作成して教室長などに提出します

時間配分やタスク管理も講師の仕事

授業では、各生徒への時間配分を考えるのもしごとのひとつです。1人の生徒に指導をしている最中も、ほかの生徒が問題に取り組んでいる様子を確認したり、担当する生徒たちが問題演習をしているあいだに報告書を作成したり、複数の業務を並行して行います。

初めのうちはとまどうかもしれませんが、徐々に業務の優先順位が付けられるようになり、処理能力が上がります。業務を回せるようになると時間やタスク管理のスキルも自ずと身に付きます。こういったスキルは「習うより慣れろ」といった要素も多分にあるので、焦らずに業務にあたりましょう。

研修制度について

各教室で事前研修などを実施

明光義塾では、講師として生徒への指導に当たる前に事前研修が実施されています。1時間~1時間30分ほど、同塾の理念や教育メソッド、授業の進め方などについて学びます。また、実際の授業を見学して講師としての振る舞いや授業の進め方を確認します(これら事前研修内容などは各教室で異なります)。

初回の授業では先輩講師が常にフォローに付きます。授業を行ったあとは、先輩講師と一緒に授業のフィードバックを行い、反省点や改善点などをアドバイスしてもらえます

また、新規採用された講師に向けて新人講師研修のほか、教室単位での講師集合研修など、講師の勤務期間や仕事への習熟度に応じた研修が用意されています。

月に1回の講師研修のほかエリア合同研修もあり

新人研修以外にも、春期、夏期、冬期講習の前にはエリア内の教室による合同研修も開催されます(各教室やエリアにより異なり、必ずしもこの通りではありません)。

定期研修や講習前の合同研修などを通じて、英語や数学といった各教科の指導要項について情報共有が行われます。

また、多くの教室には教務担当や教育担当などがいて、正社員ではなくバイト講師がその役割を務めています。講師として、各教科の指導方法や生徒とのコミュニケーションの取り方を教えてもらえるほか、バイト仲間として同じ目線で仕事の悩みなども相談にのってもらえます

シフト・時給について

明光義塾では週に1日、1日1コマから勤務OKです。

明光義塾では週に1日、1日1コマから勤務OKです。

週に1日、1日1コマから勤務OK

明光義塾は週に1日、1日1コマ(90分)から勤務可能です。平日は16時30分~21時15分、土曜日は14時55分~19時40分といった時間帯で授業が行われます。

1回の授業は90分なので、5分は授業準備に費やします。※授業時間は教室により異なります。

シフトイメージ

主な勤務属性時間帯シフト
大学生学校終わりの18時頃~週に2~3回
フリーター夕方16時頃~週に4~5回
主婦(夫)夕方16時頃~19時頃週に2~3回
シニア夕方16時頃~20時頃週に2~3回

1コマ1650円程度から、交通費は別途支給

同塾では、1コマ1650円程度(時給1100円程度)~の教室が中心です(交通費は別途支給)。

講師の給与モデル

主な勤務属性勤続年数給与シフト
大学1年生(19歳)勤続1年目月給約6万円平日3日・1日2コマ、土曜2コマなど
大学4年生(22歳)勤続4年目月給約18万円
(主任講師)
平日5日・1日3コマ、土曜3コマなど
主婦・夫(55歳)勤続3年目月給約5万円平日3日・1日2コマなど
シニア(60歳)勤続3年目月給約6万円平日4日・1日2コマなど

授業準備などで発生する事務給などは、教室により規定が異なりますが、実際に勤務した時間に応じて支給されます。

昇給は学期ごとに実施する教室が中心

昇給は年に数回行っている教室が中心です。教室長などが講師の勤務状況や授業力などから判断し、1回の昇給で10円程度アップします。

また、新人講師の指導などを行う教育担当や、各教科の指導要領などを教室長と構築していく教務担当、教室の運営・管理をサポートする主任講師といったポジションがあります。
こういった役割を担うようになると時給に反映されます。たとえば、主任講師であれば昇給したり、月の給与に手当が加算されたりします。

なお、教室の開始・終了時間、シフト提出ルール、時給、事務給、昇給などは各教室により異なります。

勤務中の服装や髪型、髪色などについて

勤務時の服装はスーツかオフィスカジュアルが基本

明光義塾の講師は、必ずしもスーツでなくてもかまいませんが、ジャケットやシャツにパンツ・スカートを合わせるなど、オフィスカジュアルを基準にコーディネートしましょう。

同塾では講師に特典を用意していて、在籍中は半額近い金額でスーツ(メーカー指定あり)を購入できる「スーツ割引パスポート」を支給しています。講師は、パスポート(カード)を使用して、プライベートで着るスーツやリクルートスーツなどを購入することができます。

髪色は黒か自然な茶色

髪の色は黒か自然な茶色で、明るすぎる髪色はNGです。アクセサリーは、ゴールドの細いチェーンで小ぶりのトップスなど、肌なじみの良い目立たないネックレスは問題ありませんが、ピアスや大ぶりな指輪などは控えるようにしましょう(結婚指輪は可)。

男性も女性も講師としてふさわしい身だしなみが求められますので、勤務時間は、ロングヘアであれば下を向いたときに髪が邪魔にならないようにひとつに束ねたり、耳にかけたり、顔まわりをすっきりさるようにしましょう

就職活動のヘアスタイルでも言われていることですが、前髪は眉毛が見えるように横に流したり、フェイスラインが見えるように両サイドと後ろの髪はまとめて一つに束ねるなど、表情がよくわかるようにするのが理想です。

男性も前髪も眉毛にかからないように、サイドと襟足は耳やシャツのエリにかからないように短くカットしましょう。

バイトの評判、雰囲気について

明光義塾には約4万人の講師が在籍していて、年齢は18歳~70歳近くと幅広い年代です。

最も多いのは18歳~22歳で、大学生が全体の約7割、フリーターは約2割、主婦(夫)は約1割で、男性と女性の割合はほぼ同じです

経験者と未経験者の割合は、約9割が未経験で経験者は1割程度です。未経験者が多いのは、大学に入学して初めてのバイト先として塾講師を選ぶ人が多いからでしょう。

同塾で講師として働いている人は、同塾の元生徒や教師を目指している学生、結婚や出産を機に退職した中学校の英語教師や子育ての経験を生かしたいという女性、定年退職後のセカンドステージにかつての夢だった先生の道を選ぶ男性など、年齢も経験もさまざまです。

各教室には親子、またそれ以上に年齢差がある人が講師として在籍しています。教室内では、大学生講師から10代の生徒たちが熱中している話題を教えてもらったり、主婦(夫)やシニア世代の講師から、受験について保護者目線の意見を聞いたり、社会人としてのマナーを教わったり、お互いに情報交換をして業務に反映させています。

特に社会人経験のない大学生にとっては、さまざまな世代の人と仕事をするのはメリットです。会社勤めをするようになってから「目上の人と話す際、言葉づかいで注意されることがない」「歳が離れた上司との話題に困らない」といった強みも生まれます。

生徒を含めると下は小学生から、上は60代と、あらゆる世代とコミュニケーションを取れるのが同塾の魅力と言えるでしょう。

まとめ

生徒にとって塾講師は、保護者や学校の先生とは違った立ち位置にいる身近な大人で、勉強以外のことも相談できる頼りになる存在です。

心身ともに成長が著しい生徒たちは感情や感性が豊かで、親しみだけではなく、ときには反発を見せることもあります。講師はそんな生徒の変化をいち早く感じ取り、細やかに対応していくことが大切です。

学習意欲を引き出し、それを維持していくためには内面に目を向けることも必要で、これらを実践していく講師には「生徒の人生に関わっている」という責任感が求められます。

なかには、素直になれず、自分にもどかしさを感じている生徒もいるので、生徒が発する言葉だけですべてを判断するのではなく、言葉の奥にある真意を導き出す傾聴力も求められます。生徒の本心に近づいていくためには、思いに寄り添う共感力も欠かせません。

以前、「授業に満足できないため、担当講師を変えて欲しい」と生徒から言われ、ショックを受けた学生講師がいたそうです。「バイトだし…」といった甘えが頭のどこかにあったのを見透かされたようで、自分の本気度が足りていなかったことを痛感したと言います。これを機に授業の予習や復習を念入りに行うほか、授業の前に生徒と雑談の時間を設けるなど、授業内容を見なすことで再び同じ生徒を受け持つように。結果、この生徒は大学進学後「明光義塾にお世話になったから」と講師として戻ってきたそうです。

「ほかのバイトより少し時給が高いから」「立ち仕事ではなく体力的に楽そうだから」といった動機で塾講師を始める人も少なくありませんが、本気で向き合う心構えが必要だということをふまえて仕事に臨みましょう。

本気で向き合ってこそ結果がついてきますので、ぜひ挑戦してみてください。

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