2015年2月の求人倍率も引き続き高水準!求職者と企業はどうなる
高水準となった2月の有効求人倍率
3月27日の厚生労働省の発表によりますと、2月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント上昇の1.15倍で、高水準となっています。
⇒一般職業紹介状況(平成27年2月分)について (厚生労働省ホームページ)
有効求人倍率が1倍を超えているということは、仕事を探している人よりも、求人の数の方が多い、ということを意味しています。仕事を探している人、求職者1人あたりに対して、何件の求人があるかを示す数字で、1.0を越えているということは、1人あたり1件以上の求人がある、ということになります。
この1.**台は16か月連続で続いており、厚労省は「引き続き高水準の雇用環境で推移している」と説明しています。
職業、業界については、教育,学習支援業、医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業などで増加となり、情報通信業、サービス業(他に分類されないもの)、学術研究・専門・技術サービス業などで減少となっています。
求人倍率は全国で同じ状況かというとそうではなく、都道府県によって大きな差があります。
都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)は、東京都の1.66倍が最高で、沖縄県の0.78倍が最低という状況でした。東京をはじめとする人口の多いエリアでは引き続き人手不足が続いており、飲食店などをはじめとして、様々な職種、業種で求人難の状況が続いています。
とはいえ、沖縄労働局の発表によりますと、この0.78倍という状況は昨年12月の過去最高と同水準で、こちらも引き続き高水準で推移していると分析しています。
企業がおそれる「人手不足倒産」
人手不足が常態化してしまうと、仕事はあるのにそれをする人がいない、という「人手不足による倒産」が発生しはじめています。人件費が上がり、企業の負担が増えて資金繰りが悪化するというケースもあり、中小企業にとっては悩ましい状況が続いています。
また、倒産までは至らなくとも、店舗を営業するための人出がおらず、営業時間の短縮、閉店になった飲食店も出てきています。
求人難への対策として、各業界では様々な手段を講じています。建設業界、運送業界、介護業界などでは、外国人の受け入れも徐々に進んでおり、日本人以外の労働者も増えています。
外食業界では友達紹介(すでに働いているスタッフが、自分の友人を推薦して紹介する仕組み)による採用を進め、離職率を減らすための工夫を行っている企業もあります。
この求人倍率の高水準の状況は今後も継続する可能性が高く、アベノミクス等の影響もあり、求職者にとってはより自分に合った仕事を探して応募しやすいという動向が続いていますが、人手不足の企業にとっては、事業の継続が困難になるおそれもあり、採用活動について、様々な工夫が求められています。