無申告でパートをしている主婦はマイナンバーでどうなるかを解説
パートでも確定申告が必要な場合があり、無申告だと問題がある可能性があります。
2016年1月からマイナンバー制度が始まりました。導入にはさまざまな議論がなされています。そんな中で、今回は確定申告をしていないパート労働者が、制度の導入で注意しなければいけない点をご紹介していきます。
パートで確定申告しなくてはいけないケース
そもそもパートは自分で確定申告をしないといけないのか?そうとは限りません。会社にもよりますが、パート労働者の多くは、会社が年末調整をしてくれます。パート労働者が自分で確定申告を必ずしなければいけないのは次の2つのどちらかに当てはまる場合です。
- 1.給与の支払を1ヵ所から受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
- 2.給与の支払を2ヵ所以上から受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
1は本業のパート以外で副収入があり、年間の合計所得が20万円を超える人などが当てはまります。
2は複数の会社でパートをしている人が主となるでしょう。金額によって確定申告が不要な場合や、別のケースもありますので、詳細に関しては国税庁ホームページを確認してください。
国税庁ホームページ
マイナンバー制度で無申告がばれる可能性がある
主婦のパート労働者は、夫の扶養に入っているケースが一般的です。給与所得が103万円を超えなければ配偶者控除の対象となるため、103万円を超えないようにしながら働いている人も多いでしょう。
マイナンバーが導入される以前は、「バレないから」とか「知らなかった」という理由で、103万円以上の給与を得ていても、確定申告を怠っていた人がいるかもしれません。では、マイナンバーが導入された現在、無申告は通用するのでしょうか?
マイナンバー制度が導入される効果のひとつに「所得が把握されやすくなる」というものがあります。
これは会社が税務署に提出する支払調書という書類に、労働者のマイナンバーが記載されるためです。マイナンバーを検索すれば誰がどこから何円受け取ったかが分かるため、制度が導入される前よりも、税務署は個人の収入を簡単に知ることができるということです。
しかし、個人の収入を把握することができても、税務署が多忙のあまり取り締まりに手が回らないということも十分に考えられます。
つまりはケースバイケース。金額や状況によるとしか言えませんが、「無申告がバレる可能性はある」ということは認識してください。
無申告だとペナルティが課されるリスクがある
無申告がバレると、罰則規定があります。多くのケースは追徴課税と言い、延滞分を支払うパターンですが、刑事責任を問われる場合もあります。
追徴課税を求められる場合というのは、悪質な申告逃れではないもので、後から確定申告をするケースです。本来支払うべき税額に上乗せされた金額を納める必要があります。収めた額が50万円までならば15%、50万円以上ならば20%という割合です。税務署からの調査が入る前に、自主的に「期間を過ぎてしまいましたが確定申告します」と申し出れば、5%の加算で済む場合もあります。
刑事責任を問われる場合というのは、不当な手段で納税の義務を免れた場合です。確定申告をしなければいけないのに、悪質な手段でやっていなかったと判断されたら刑事責任が問われることになります。
2011年の税制改正で「故意の申告書不提出によるほ脱犯」に対する罰則が制定されました。「ほ脱」とは、納税の義務がある人が不当な手段によって納税の義務を免れることで、5年以下または500万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
刑事責任を負うケースもあるとなれば、無申告で人生を狂わせてしまうと言っても過言ではないでしょう。確定申告をしなければいけない人は、しっかりと自分で管理しなくてはいけません。
マイナンバーの導入により、無申告のリスクは高まったと言えます。リスクも高いとなれば、自身でしっかりと確定申告が必要かどうかを理解して、納めるべき税金はきちんと納めることをおすすめします。
パートを複数掛け持ち、Wワークをしている人だと確定申告をしなければならないケースが多いので、当てはまる人はこちらの記事も参考にしてください。
社会保険制度をきちんと運用している企業であれば、年末調整や確定申告に関する相談にも乗ってもらいやすいでしょう。