バイトの時給「最低賃金」を解説<2024>初バイト・高校生も知っておこう
アルバイトを始めるなら知っておきたい「最低賃金」について解説します。高校生や初めてバイトする人も、知識として押さえておきましょう。
最低賃金とは?
最低賃金とは、すべての労働者に対して保証される、国が定める賃金の最低基準です。これは労働者の生活を守るための重要な制度であり、年齢や職種、雇用形態に関わらず適用されます。最低賃金の基準は、国および各都道府県ごとに異なり、すべての事業者はこの金額を下回る賃金で労働者を雇うことが禁止されています。最低賃金に違反すると、雇用主には50万円以下の罰金が科される可能性があるため、バイト先もこの規定を遵守する必要があります。
2024年の最低賃金は、全国平均で1時間あたり1,054円に設定されています。この平均額は昨年より50円引き上げられ、物価上昇や生活費の高騰を考慮した結果です。東京や大阪、神奈川などの大都市では特に高く、東京では1,163円、神奈川は1,162円、大阪が1,114円とされています。これにより、これらの地域では時給1,100円を超える水準となりました。
最低賃金には2種類ある
最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。
- 地域別最低賃金
地域別最低賃金は、各都道府県ごとに設定され、すべての労働者に適用されます。このため、地域により最低賃金額が異なる点が特徴です。特に大都市圏での最低賃金が高く設定される傾向が見られ、東京、大阪、神奈川、愛知といった地域では、より高い水準で保障されています。 - 特定最低賃金
一部の産業に限定される特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い金額が設定されている場合があり、特定の業種で働く労働者に対して適用されます。例えば、製造業や特定のサービス業などが該当する場合が多く、職種によって最低賃金が引き上げられることで、専門的な技能が求められる仕事に対する保障が強化されています。
最低賃金の適用方法
時給の場合
労働時間に対して支払われる時給が、地域別最低賃金額と同等か、それ以上である必要があります。時給がこの基準に満たない場合は、最低賃金に違反している可能性があり、適切な賃金をバイト先に要求する権利があります。
日給の場合
日給の場合、日給を労働時間で割った額が最低賃金を下回らないか確認します。仮に下回っている場合、バイト先に相談し、是正を求めることが可能です。
月給の場合
月給制の場合は、月給を1ヶ月の所定労働時間で割り、最低賃金額以上であることを確認する必要があります。
最低賃金の計算に含まれない項目
最低賃金には、以下の項目は含まれません:
- 結婚手当などの臨時手当
- 賞与など、1ヶ月を超える期間で支払われる賃金
- 時間外や休日出勤による割増賃金
- 通勤手当や家族手当などの手当
2024年度の主な地域別最低賃金(参考)
以下は、主要な都道府県の2024年度の地域別最低賃金の例です:
- 東京:1,163円
- 神奈川:1,162円
- 大阪:1,114円
- 愛知:1,077円
- 埼玉:1,078円
- 千葉:1,076円
こうした地域では、地域別最低賃金が高めに設定されているため、労働者はある程度安定した収入を確保しやすくなっています。一方、地域差が大きい点も最低賃金制度の課題です。東京や大阪に比べ、地方都市の最低賃金は依然として低い水準にあり、地方と都市の賃金格差が問題視されています。
最低賃金の確認と相談方法
もし自分の賃金が最低賃金を下回っている場合、まずはバイト先に相談し、最低賃金の基準に沿って時給を引き上げてもらうよう求めることが重要です。万が一、対応が得られない場合は、最寄りの労働基準監督署に相談することができます。また、過去の賃金不足分を遡って請求することも可能です。労働基準監督署には未払い賃金や最低賃金違反の相談窓口があり、労働者の権利を守るための支援を行っています。
まとめ
2024年度の最低賃金の改定により、全国平均が大きく引き上げられましたが、都市部と地方の賃金差は依然として残されています。バイトをするうえで、自分の時給が最低賃金に達しているかどうかを常に確認し、不足している場合には積極的に対応することが推奨されます。また、長期で同じバイト先で働いている場合でも、最低賃金は毎年見直されるため、改定が行われたタイミングでの確認を怠らないようにしましょう。
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