美容室シーズンの求人採用担当者に聞いてみた!給与、シフト、面接について
こんにちは、マイベストジョブ事務局です。今回は、リーズナブルな価格設定で知られ、ファミリーヘアサロンとしても認知度のある美容室「シーズン」の求人について働く際にしっておきたい給与やシフト、面接などについてプロジェクトマネージャーの後藤さんに話を聞きました。
運営会社ララフェイスについて
ファミリーヘアサロンシーズンは株式会社ララフェイスが運営する美容室で、東京、神奈川を中心に60店舗運営しています(2019年現在)。
なかにはフランチャイズやのれん分けによる店舗もあって、現役のスタイリスト(美容師)で多店舗展開をしたいと思っている人、他業種から参入する人、また美容室シーズンのスタッフがのれん分けで独立するなど、起業サポートも行っています。
同社では優秀な人材を確保するために、スタイリストの離職理由として挙げられる「歩合給で収入が不安定」「長時間勤務のうえ休みがない」といった労務問題の改善を目指し、「安定収入」「プライベートの充実」を企業理念として掲げています。
各々のライフワークバランスの考えに合わせて条件が選択できるようになっており、①福利厚生が充実した雇用契約 ②結果により高報酬を望める委託契約 ③そしてステップアップを目指す人に向けては独立支援制度(のれん分け)が用意されています。
特に②の委託契約はなかなか休めない土日休みを取得できる選択も可能で、また完全固定保障報酬もあるので、一家の大黒柱で収入アップを目指す方から、Wワーク希望の方までさまざまな働き方のスタイリストの生活に合わせてアレンジが可能です。
委託契約という不安定なイメージを持たれる方も多いので、今回はララフェイスの委託契約の働き方について見ていきましょう。
美容室シーズンにおける働き方の特徴
給与は固定給が主。集客のノルマ等はなし
美容室シーズンのメニューには指名料500円が記載されており、業績により0~200円の歩合が支給されます。月々の給与は、固定給のほか、業績に応じて最大5万円の歩合給もありますが集客のノルマはありません。より高みを目指す方へは各月の業績に合わせた報酬制度と半期に一度の報奨制度もあるのでやった分がしっかり収入に繋がります。
指名制度は多くの美容室で採用されています。利用する側にとっては「自分の好みや髪のクセを知っている人にお任せできるのでラク」「新しい美容師さんと話をして一から関係性を作るのが面倒」といった声もあるため、プラスの面が大きいと言えるでしょう。スタイリストにとっては、自分を選んで足を運んでくれる顧客を持つことは仕事のモチベーションにつながります。
歩合給はバランスが大切で、月の給料のほとんどが歩合といった給与制度では、顧客のリピート率が高いスタイリストですら集客活動に疲弊してしまう恐れがあります。同美容室では指名を希望する顧客のため、またスタイリストそれぞれの働き方に合わせて給与アップを目指せるよう、固定給をしっかりと保障した上で歩合給を取り入れています。
来店者の担当振り分けは公平に
指名以外のフリーの来店者については、先輩スタイリストが優先的に担当する、あるいは顧客数が少ない後輩に譲るなど、入店歴や経験年数によって振り分けるのではなく、担当につく順番を決めて来客があれば順に対応していきます。
フリーの来店者は新規獲得につながるため、振り分けをめぐってスタッフがもめる美容室も少なくありません。人間関係の摩擦を減らすため、そして公平性を保つため、同ヘアサロンでは順番制を採用しています。
スタイリストがマンツーマンですべてのメニューに対応
各店舗のスタイリストの数は多くて4人ほどで、店舗責任者を含み2~3人体制のところがほとんどです。
店舗が少人数で運営できる理由として、基本的にアシスタントを採用していないことが挙げられます。同美容室では、スタイリストがカウンセリングからカット、カラー、パーマ、そしてシャンプー、ブローといったすべてのメニューに対応しています。
アシスタント制をとっていないのは、スタイリストがマンツーマンで対応することで来店者の要望に細やかに応えていきたいと考えているからです。加えて、アシスタント育成のために営業時間外に行われている技術指導などの業務負担を減らすのも目的のひとつとなっています。
同美容室ではメニューが細分化されているため、空いた時間にシャンプー・ブローでリフレッシュするビジネスマンや、毛先だけポイントパーマをかける女子学生、子どもと一緒にヘアカットをするお父さんやお母さん、月に一度のペースで毛染めをするシニアの夫婦など、男女問わず幅広い世代が足を運んでいます。そのため、どの世代にも親しんでもらえる接客力と来店者に満足してもらえる技術力を大切にしています。
また、多くの美容室でスタッフが行っているケープやタオルの洗濯は、専門業者に回収・クリーニングを委託しています。サロンワーク以外の業務や雑務の軽減を図り、スタイリストが顧客対応に専念できる環境づくりに努めています。
面接内容について
応募資格は美容師免許を持っていること
美容室シーズンの正社員の応募資格は、美容師免許を持っている人、入店の案内からカウンセリング、カット、カラー、パーマといった美容業務にトータルに対応できる人です。
応募方法は、まずWEBサイトの応募フォームか電話で応募します。担当者と面接日を確定し、面接当日は履歴書(写真付き)と美容師免許の原本かコピーを持参します。面接は東京都世田谷区経堂にある本社で人事担当者1~2人、またはララフェイスの代表取締役と人事担当者、応募者の3人で行われます。
応募から採用の流れ
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面接日を確定
↓
面接
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技術チェック(ブランクがある場合、また本人が技術講習を希望する場合)
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採否連絡
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採用
ワークバランスの取り方などについて質問
採用後に不満や悩みが生じると離職につながるため、同ヘアサロンではミスマッチを減らすために面接では60分ほど時間をかけて応募者とコミュニケーションを図ります。志望動機や過去の経歴について質問があるほか、どのようなワークバランス、サロンワークを求めているのかについてヒアリングがあります。
応募者は40代~50代が多く、出産や子育てを経て復帰を目指す人、働き方を見直したい人などさまざまで男女の割合は同じくらいです。質疑応答の中で挙がるのが、勤務時間の長さや収入に対する不安で「夜遅くまで残ったり休日を返上したり、以前は平気だったけど仕事を長く続けるためにも仕事と生活のバランスを整えたい」「指名が減って歩合給では厳しくなってきたので、固定給で生活を安定させたい」といった声です。
同美容室では、取得する休日をベースにした給与制度を設けているほか、残業のない勤務体系を目指しているため「毎日、定時にあがりしっかり休みを取りたい」といった思いを面接で伝えるのは問題ありません。
ブランクがある場合は技術チェックが実施される場合も
ブランクがある場合など、技術面について採用側、応募者側双方に不安がある場合は面接とは別の日に改めて技術チェックが実施されます。
ブランクがなくても女性客が中心で男性や子どものカットはほとんど経験がない、カラーやパーマの薬剤塗布などはずっとアシスタントにお願いしていたといったことも面接で伝えておくと、ハサミやバリカンを使ったヘアカット、薬剤を使ったカラー、パーマといった美容技術について、本店(経堂店)などに出勤し講習を受けることができます。
技術面のヒアリングは採否の判断材料ではなく、応募者の不安を軽減することが目的なのできちんと話しておくのが良いでしょう。
なお、ブランクが長期にわたる、スタイリスト歴が浅いなど、一定期間の研修が必要と判断されると、時給制(1100~1200円)のパートタイマーとして雇用がスタートし、研修を経て正社員になる場合があります。
同美容室では営業時間外に研修や講習などが行われることはありません。ミーティングも時間内に行われることがほとんどです。
店外で実施される美容技術の講習会に参加するなどスキルアップについては基本的に本人の意思に委ねられていて、義務化されているものはありません。
固定給、報奨制度について
美容室シーズンのフルタイムで働く方の給与は、1カ月に取得する休日と、出勤する土日、祝日の回数をベースに構築されています。下記に紹介します。
給与制度一覧
休日の日数
|
土日・祝日すべて出勤の場合の固定給 | 土日・祝日1~2回休みの場合の固定給 | 土日・祝日1ヵ月に半分休みの場合の固定給 |
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月6休 | 270,000円 | 260,000円 | 240,000円 |
月7休 | 258,800円 | 249,200円 | 230,000円 |
月8休 | 247,500円 | 238,400円 | 220,000円 |
※固定報酬の他に、毎月、業績により最大5万円の歩合給、半期に一度のボーナスあり。
※民間の損害保険加入(入院・通院・手術補償など)。費用は会社負担
※諸条件により給与が異なる場合があります。
※残業代は15分単位で、ララフェイスの規定に基づいて支給されます。
※契約内容以上の土日、祝日の休みを取得した場合は給与に反映されます。
半期に一度の報奨制度は人事評価会議で決定
2019年8月よりララフェイスは評価制度を改良し半期に一度の報奨制度を設けました。休日の取得回数をベースにした給与制度ではありますが、勤務先店舗の従業員と協力しあって営業活動を行う姿勢は求められます。そのため、報奨金についてはシフトへの協力、従業員とのコミュニケーション力のほか、店舗全体の売上、個人の業務成績(売上や指名数)などから人事考課が行われます。
半期に一度の報奨と毎月の業績給に、指名による歩合給を加算して月平均40万円以上の給与を得ている人もいます。
シフトや休憩について
毎日1時間の休憩は確保
ファミリーヘアサロンシーズンでは、毎月15日までに翌1カ月分のシフトを提出します。1カ月の休日の取得回数や土日・祝日の出勤回数は、自分が雇用形態で結んだ月6休、月7休、月8休の給与制度に基づいて休みを申請します。
勤務時間は主なる店舗が9時30分~20時で1時間休憩です。「忙しくてお昼ご飯を食べないまま終わった」「10分休憩を2回しか取れなかった」など不規則にならないよう、基本的に1時間通しの休憩時間を推奨しています。。
どのような仕事でもそうですが、休憩をきちんと取ることでリフレッシュし、その後の業務への英気も養われます。良い仕事をする上で休憩は大切なので、スタッフがきちん取得できるよう各店舗で努めています。
また、流行のアイテムであっても歩く時にゴツゴツと大きな音がする靴、顧客の顔まわりを触る際に邪魔になるような大ぶりの腕時計やアクセサリーを控えるなどの配慮は求められます。
のれん分け制度を用いた独立支援について
美容室シーズンには、のれん分けによる独立支援制度もあり、独立オーナーになれば約100万円もの報酬を手にすることも可能です。のれん分けについて見ていきましょう。
店長を務めた店舗を買取
のれん分けでは、まとまった資金を用意したり月々のロイヤリティを納めたりするフランチャイズとは異なったシステムで独立を目指すことができます。希望者はまず本部に独立の意志を伝え、起業家としての素養があると判断されると、本部のコンサルタントが担当者となり、月1回の面談を通じて経営や人材マネジメントのノウハウをレクチャーされます。
本部から店長を任された店舗で目標売上を達成・維持するなど実績を積んだ後に店舗を買い取ることで、のれん分けオーナーとして独立できます。店舗買い取りの費用は、売り上げに応じて利益の一部を本部への支払いに充当していく仕組みです。
自己資金の負担を抑えた独立が可能
のれん分けの良いところは自己資金が少なくて済むこと、多店舗展開をしている同美容室のブランド力を使って集客ができることでしょう。また、自分が店長を務め売上を作ってきたお店を買い取るため、顧客を持った状態でオーナーになれることです。
店を持つことを夢見て美容師を目指す人も多いでしょう。自ら立ち上げたお店であれば内装やメニュー、価格など、すべてにおいて自由にできますが、それを実現するためには多額の借入金を抱えるなどリスクが伴います。しかも昨今の美容業界は競争が激しく、開業しても維持していくのが難しいのが現状です。
そのため、本部の営業方針に合わせる必要はありますが、自己負担を抑えたのれん分け制度を選び独立をする人も少なくありません。
まとめ
ファミリーヘアサロンシーズンが行う面接は、採否を決定するというよりも、応募者の声を制度の改善に活かすため、営業方針をきちんと伝え本人の希望にマッチするかどうか確認するため、また希望に添えるよう善処するため、というのが主な目的です。
経験がある人はおおよそ採用されるほか、たとえば20年にも及ぶブランクがあっても、技術講習を経て復帰できるため不採用になる応募者が少ないのが大きな特徴です。
多くの人に就業の機会はありますが、アシスタントに任せていたシャンプーやブローも行わなければならない、カラーやパーマのバリエーションが以前に勤めていたサロンに比べると少ない、流行を追ったヘアデザインを担当する機会が減る、といったことをふまえておくのが良いでしょう。
上の項でも書いたように、応募者は40代~50代が中心で、スタイリストとして10数年のキャリアがあったり、離職していても社会人として年齢を重ねていたり、業界の厳しさをよくわかっている、またスタイリストとして自分ができることを十分に理解している人が多い印象です。また、そういった心持ちの人が活躍できる美容室と言えるでしょう。
また同ヘアサロンは少人数制のため、人間関係が密になります。スタッフの仲の良し悪しはお店の雰囲気に直結しますので、美容技術や接客技術のほか、互いを尊重し、円滑な人間関係を築ける人柄も備えておく必要があるでしょう。
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