アートネイチャーの求人を徹底調査!美容師の仕事内容、給料や評判を聞いてみた!
こんにちは、マイベストジョブ事務局です。今回は、オーダーメイドウィッグなどを提案する「アートネイチャー」の求人について、理・美容師の面接や仕事内容、シフト、ノルマなどについて人事部の落合さんに話を聞きました。
この記事の目次
理容師・美容師が活躍するアートネイチャーについて
1967年に設立したアートネイチャーは、オーダーメイドウィッグのほか、増毛・育毛技術や理・美容サービスの提供を行ってきた企業で、トータル・ヘアコンサルタント企業として50年以上の歴史があります。
創業当初は、オーダーメイドの男性用かつらの会社としてスタートし、各種毛髪商品の開発や増毛・育毛技術の向上に注力し、事業を成長させてきました。
近年は女性向けの育毛剤や育毛システム、ウィッグの開発を手がけるなど、男性、女性を問わず、毛髪に対するさまざまな不安や悩みに応えています。
アートネイチャーは、全国に272店舗を展開し、地髪のカットやカラーといった理・美容技術を提供するほか、ウィッグの提案やヘアケアに対応しています。
「ふやしたいのは、笑顔です」をモットーに、オーダーメイドウィッグを主力として成長を遂げる同社のサロンでは理容師や美容師がスタイリストとして活躍しています。
応募資格・面接内容について
理容師・美容師免許を取得している人が求人対象
アートネイチャーのスタイリストは、理容師、美容師の免許を持つ人が対象です。応募から採用の流れを見ていきましょう。
求人サイトの専用フォームなどで応募し、面接に進む場合は同社の担当者から面接日の連絡があり面接日を確定します。
面接は、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県といった首都圏は本社(東京都渋谷区)で、大阪府、京都府、兵庫県などの関西圏は大阪事業所(大阪府大阪市)で行われます。それ以外のエリアは、同社の面接担当者が応募先店舗などに出向いて面接が行われます。面接は担当者と応募者1対1です。当日は、履歴書が必要なので事前に用意しておきましょう。
面接のほかカットの技術検定を実施
面接当日は、担当者との質疑応答のほかカットの技術検定が行われます。面接日が確定すると、面接場所の詳細について同社から連絡があります。このとき、技術検定の課題(ヘアスタイルの写真など)も一緒に送られます。当日は、カットウィッグを使って課題に取り組みます。アシスタント応募者は、モデルを使ったシャンプーの実技のみです。
面接当日は、技術検定が約60分(ヘアカット)、面接は約60分(質疑応答)、適正試験は約30分(記入式)で、2時間30分ほどかかります。アシスタントの場合は技術検定が約30分(シャンプー)で2時間程度です。
なお、技術検定は採否の評価基準になるのではなく、採用後に行われる研修のレベルチェックに活用されます。
転職の理由やきっかけについて質問
面接では、転職の理由やきっかけ、同社の志望動機について質問があります。年齢や男女差はありますが下記のような回答をしています。
「初めて勤めた店舗は営業時間が長い上、営業後にレッスンがあるので自分の時間がほとんどなかった。アートネイチャーのサロンは一般の理美容室と比べて残業が少ないため、プライベートを大切にできると思った」
「以前の職場は結婚を機に辞めたけれど、御社であれば家庭と両立できると思ったから」
「子育てが落ち着いたので、技術を生かしてもう一度働きたいから」
「スタイリストから店長、ブロック長など、長期的なキャリア形成が可能だから」
「給与アップを目指すのは難しく、経済的に不安だったから」
実際に、以前の勤め先でカラーリングやパーマ液での手荒れの問題を抱えていたり、プライベートな時間を理由に転職をしたスタッフもいます。回答内容が採否を決める判断材料ではないことがうかがえますが、正直に理由を話すことと回答の準備は忘れずにしておきましょう。
面接では誠実に向き合える人柄を確認
歩合給が多い理・美容業界において、固定給をしっかりと設定している同社には、安定などを求めて応募する人が少なくありません。それゆえ、同社を選んだ理由として上記のような条件面を伝えることは問題ではありません。
同社のサロンに足を運ぶのは髪に関する様々なニーズを持つ人がほとんどで、顧客の思いや要望をくみ取っていくためには繊細な心づかいが必要です。面接は、転職のきっかけや志望動機を聞くなかで、応募者が自分を偽ることなく正直に答えているか、何事にも誠実に向き合う人柄かどうかを確認するのが主な目的です。
「以前の職場では得られなかった収入の安定や時間的な余裕が魅力」といった理由のほか、仕事で苦労したことでもかまいません。そこから得た経験を同社でどのように生かしていきたいのか、どんなビジョンを描いていきたいのかを話すのも良いでしょう。
仕事内容について
アートネイチャーのサロンの仕事は、地髪のカットやカラーなどのほか、ウィッグを用いたヘアスタイルの提案とスタイリング、定期的なヘアケアです。1日の流れを紹介します。
アートネイチャーでのスタイリストの仕事例(1日の流れ)
サロンに出勤し、制服に着替えて身だしなみを整えます。9時40分から朝礼が始まり、スタッフ全員で経験理念や接客用語を唱和するほか、業務連絡が行われます。
サロンをオープンさせて、担当する顧客が来店すると個室ブースに案内しヒアリングや施術などを行います。同社のサロンは、シャンプーやカット、ブローなどを分業で行うのではなく、1人ですべてを担当します。
新規の来店であればまず、1対1でじっくりと髪の悩みや希望のヘアスタイルなどについてヒアリングをします。増毛や育毛、ウィッグといった商品やサービスの案内は、商品サンプルなどを使って行います。ウィッグのオーダーであれば、実際に試着をしてもらい使用感を体感してもらったり、本人の希望や雰囲気にマッチしているかなどを確認します。
既存顧客の場合も悩みや要望をヒアリングし、ウィッグの手入れや地髪のカットやカラーなどの施術を行います。また、新たなヘアスタイルの希望などがあれば提案を行います。
個室ブースでのヘアケアのほか、担当した顧客からヒアリングした髪の悩みや希望などを顧客管理システムに入力します。その日、ウィッグにどのような手入れをしたのか、地髪に施したヘアカラーやカットの内容、使用したカラー剤の種類などを記録し、次回の来店時にスムーズにヘアケアや提案ができるようにデータを構築していきます。
サロンを閉店し、終礼を行います。今後のサービスにつなげていくため、スタッフ全員で1日の振り返りを行い、改善点や反省点などを共有してその日の業務を終えます。同社のサロンは完全予約制のため、残業は1日30分~1時間程度です。
勤務時は制服、通勤時はスーツを着用
同店ではシャツとベスト、パンツが制服として貸与されるのでそれらを着用して業務にあたります。
男性はロングヘア、ヒゲ、ピアスなどのアクセサリーはNGです。
女性の場合、フープやドロップ型など大ぶりなピアスはNGですが、小さな石一粒など小ぶりで耳たぶからぶら下がらないスタッドピアスであれば問題ありません。ネイルは、ベージュやうすいピンクなど肌なじみの良い色で単色であればOKです。
男女ともに、髪色は7トーン程度のブラウンであればカラーリングしてもかまいません。
通勤時は、男性はスーツ、女性もジャケットにスカート、パンツなどスーツに準ずる服装の着用が求められます。理由は、同社のサロンに出入りする際も顧客の目に留まる可能性があります。サロンから自宅までの移動中であっても、同社のサロンのスタッフであるという自覚を持ち、礼儀正しい振る舞いをすることが顧客の信頼につながるためです。
技術研修とスタッフのサポート体制について
採用後はメンターがマンツーマンでサポート
アートネイチャーのスタイリストの研修は、基本的にOJT形式(実際の業務を通じた研修)で行われます。この過程で、新規採用されたスタイリストには、教育担当者が技術指導を行います。
教育担当者以外に、メンターと呼ばれる先輩社員が半年間にわたりマンツーマンでサポートをしてくれます。業務の進め方や接客などで困ったことがあれば担当のメンターに随時、相談することができます。
同社がメンター制度を導入した理由は、「仕事でわからないことがあっても誰に聞けばいいのかわからない」「顧客対応について相談したいことがあるけれど、誰に声をかければいいのか迷う」といった声があったからです。
スタイリストの不満や不安を解決しないままでは、より良いサービスにつなげることができないうえ、職場に満足できず離職してしまう可能性があります。こういった問題を改善するために、同社ではメンター制度を取り入れています。
業務に関することだけでなく、ほかのスタッフとコミュニケーションが取りやすいようにランチタイムを合わせたり、仕事の合間をぬって声かけをしたり、サロンになじめるように配慮が行われています。
定期的に実施される技量検定で習熟度を確認
技術面などについては、入社から1カ月後に6日間、3カ月後に4日間、半年後に2日間、本社の技術指導部で技量検定が行われ技術の習熟度などを確認されます。
同社ではウィッグの取り扱いや増毛・育毛技術の習得が必須で、同社の求める基準に満たない場合は担当を持つことができません。技術を習得しているかどうかを確認するために検定が行われますが、ほとんどの人がOJT研修を通じて技術を身に付けています。技術面でのウィークポイントの確認などが主な目的で、苦手な部分などについて教育担当やメンターがサポートしてくれます。
入社から半年間の技量検定のほか、2年に一度、技量検定が実施され技術ランク認定を受けます。同社の認定試験に合格すると、人事評価などに反映されます。
アシスタントは本社のカット集中研修でカット技術を習得
アシスタントは、2カ月間、本社のヘアアカデミーでカット集中研修を受けます。研修でカット技術を習得し、同社のカット検定に合格するとスタイリストとしてデビューします。カット集中研修のあいだ、遠方の人は同社が用意するマンスリーマンションに宿泊することができます(費用は会社負担)。
こういった技術研修により、理・美容師の免許を取得しているものの、別の職業に就きスタイリストの経験がほとんどない人も技術を身に付けることができます。
給料やノルマ、シフトについて
給料は固定給+インセンティブ+賞与
アートネイチャーのスタイリストの給与は固定給+インセンティブです。個人の売上に応じてインセンティブが支給されますが、ノルマではありません。個人のがんばりを評価に結び付けたいと考えているため個人目標未達成でもペナルティはありません。
固定給は全エリア、23万円~26万円です。(アシスタントは20万9000円~21万9000円)。固定給にプラスして毎月の手当にインセンティブが支給されます。また業績に応じて年2回賞与が支給されます。
※上記は調整手当1万円を含む(入社後12ヶ月間に限り支給)、一人前の実績を出せるようになるまでの間、インセンティブを補填する趣旨で一律支給。
同社のスタイリストの平均年収を紹介します。
勤続年数 | 給与 |
---|---|
勤続2年目(スタイリストの場合) | 年収318万円(固定給+インセンティブ+賞与) |
勤続5年目(主任の場合) | 年収482万円(固定給+インセンティブ+賞与) |
勤続7年目(店長の場合) | 年俸553円 |
※2020年実績
厚生労働省が発表した調査によると、1000人以上の企業で働く理・美容師への年間支給額は約325万円です(34.9歳、勤続6.7年。年間賞与、そのほか特別給与含む/2016年度)。
調査結果よりも、同社の6年目のスタイリストは100万円あまり多くの給与を得ていることがわかります。
シフトは週休2日制、残業は月15時間程度
勤務時間は9時40分~18時40分(休憩1時間)で、週休2日制です。同社のサロンは完全予約制なので、基本的には自分の担当する顧客の予約に合わせてスケジュールを組みます。シフトは約1カ月前には確定します。たとえは4月のシフトであれば2月末に提出し、3月の頭に提示されます。
男性専用サロンの利用者は平日の日中は仕事をしている人も多く、週末に予約が入る可能性が高いので、予約が少ない平日に休みを申請する人がほとんどです。
なおレディースサロンは、家族が出かけている平日の昼間に利用する主婦が多く、土日、祝日は予約が少ない場合があります。「子どもの習い事などがあるので、土日はなるべく家にいたい」という人は、面接時に伝えておくとレディースサロンに配属してもらえることもあります。
求人の評判、雰囲気について
アートネイチャーのサロンの応募者は、20代前半でアシスタント経験のみの人や、20代後半~50代の女性、20代~40代の男性などです。男女の割合は女性が約6割、男性が約4割で男女ともに働きやすい環境であることがうかがえます。
アシスタント経験者であれば、以前の職場ではシャンプー担当で手荒れに悩みスタイリストを諦めかけた人、営業時間後にレッスンが行われるため時間的にも精神的にも余裕を持てなくなった人などがいます。
20代後半~50代の女性は結婚、出産を経てスタイリストに復帰をする人、30代~40代の男性であれば安定収入やキャリアアップを目指す人などです。
同社のサロンは完全予約制なので、営業時間内に接客が終わるようにスケジュールを組めるので急な残業は少なめです。また、顧客1人に対し、1人のスタイリストが入店案内からヒアリング、商品の案内や提案、ヘアケア、退店時のお見送りまですべてに対応します。
アシスタントの人は研修を受け、カット検定を受けて合格してから担当を持つので、「入店後、サロンで担当するのはシャンプーばかり」といったことはありません。
スタイリストになっても、ヘアケアの技術や接客などについて、随時研修が行われブラッシュアップをしていくことができます。髪に悩みを持つ顧客の声に応える目的もありますが、こういったサポート体制を構築することで、スタイリストの成長にも注力している様子がわかります。
まとめ
アートネイチャーのサロンに訪れるのは髪に関する様々なニーズを持った人たちです。人の目線が気になったり、まわりの何気ない言葉に傷ついていたり、とてもデリケートです。
個人の繊細な感情に触れる場面も少なくないため、顧客との信頼関係がとても大切で、スタイリストは丁寧にヒアリングし、細やかに対応する人間力が求められます。
また、商品の魅力などを伝える提案力のほか、顧客の表情や声のトーンなどから気持ちを感じ取っていく傾聴力や共感力なども必要です。
今回取材した落合さんは「お客さまの中には『体を動かすことが好きだけど、ヘアスタイルが気になるのでスポーツは避けてきた』『海水浴には何年も出かけていない』など、やりたいことをがまんしてきた方も少なくありません。ウィッグを通じたヘアスタイルの提案は、お客さまのライフスタイルに大きく関わっていく仕事です」と話します。
「髪の悩みに応えることで『表情が明るくなり、何事にも積極的になった』『自分に自信が持てるようになり、就職活動に成功した』『オシャレをするのが楽しくなり、外出の機会が増えた』など、変化を遂げていくお客さまに接することはやりがいや喜びにつながります。結婚の報告に来てくださった方もいて、本当にうれしかったですね」と言葉を続けます。
「お客さまの人生を豊かにしていくための仕事」ということを心に留めて、スタイリストとして新たなキャリアを築いてください。