失業保険(雇用保険)はアルバイトでももらえる?給付の条件や金額など解説
会社やお店で働いて退職した場合にもらえる失業保険(雇用保険)。この失業保険ってアルバイトでももらえるものなのでしょうか。給付するための条件や金額についてわかりやすく解説いたします。
まずその前に、
失業保険とは、正式には雇用保険の基本手当のことを差します。ほかにも失業手当と言われることもあります。言い方は違いますが同じものを差しています。
この記事の目次
アルバイトでも失業保険はもらえる?
アルバイトでもフルタイム労働者と同じように、失業保険(雇用保険の基本手当)は加入していればもらえます。バイト先が加入していなければもらえません。
その前に失業保険には加入要件がありますので、あてはまっていなければ加入することができません。加入要件を満たしていて、加入している場合に失業保険はもらうことができます。
失業保険(雇用保険)の加入要件
以下がアルバイトの加入要件ですので、勤務体系が該当していれば、失業保険がもらえる被保険者となります。確認していきましょう。
<失業保険の加入要件>
- 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
まず一つ目の要件ですが、アルバイトを始めるときに31日以上続ける見込みがある場合は該当します。31日以下の短期バイトでは該当しません。当初は31日以内の想定だったが、31日以上勤務することとなった場合は加入となります。(平成22年4月1日から「31日以上」になりました。以前は「6ヶ月以上」でした。)
一般的にはアルバイトは期間の定めをしていない場合がほとんどですので、1ヶ月以内の短期バイト以外は加入できると考えましょう。
1週間の所定労働時間が20時間以上であること
もうひとつの要件は、週の労働時間が20時間以上となる場合です。例えば、週3日勤務の4時間労働であれば週に12時間となるため該当しません。1回の勤務時間が4時間の場合は、最低でも5日勤務が必要です。
1週間の勤務時間がばらばらの場合は、1年の労働時間を平均して1週間あたり20時間を超えていれば雇用保険に加入できます。(月ごとに所定労働時間に差がある場合はその平均)
上記の要件を満たしている場合に、失業保険(雇用保険の基本手当)に加入することができます。
高校生・大学生は加入できない
上記の条件を満たしていたとしても、高校生や大学生など昼間学生の場合は雇用保険には加入できません。これは、雇用保険は本来、労働者が失業等をした場合のための保険であり、失業中の生活維持のためや、再就職するための活動を行いやすくするためのものです。
学生の本分は仕事ではなく学生ですので、原則失業保険は適用除外となります。また昼間学生でも一部例外もあり、雇用保険に加入できる場合もあります。
昼間学生の例外
- 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続きその事業所に勤務する予定の者
- 休学中の者
- 一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学している者
ただし夜間学生・通信制・定時制の場合は被保険者となります。
そのほか、雇用保険の適用除外となるケースが法律で定められています。(雇用保険法第6条)
失業保険(雇用保険)に加入しているか確認する方法
1.給与明細を見る
失業保険(雇用保険の基本手当)に加入しているかを確認するには、給与明細を見ると確認できます。給与明細の項目に「雇用保険」と記載されて給与から天引きされている場合は加入されています。(保険料は労働者と事業主の双方が負担します。)
加入要件を満たしている場合に、記載がなく天引きされていないときは未加入の可能性もありますので、バイト先に確認してみましょう。雇用保険の加入は会社側の義務ですので、要件を満たしているのに加入していない場合は会社側のルール違反です。
2.「雇用保険被保険者証」が交付されているか
また雇用保険に加入した際には、「雇用保険被保険者証」と「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」が公共職業安定所(ハローワーク)から事業主を通じて交付されます。バイト先から受け取っていれば加入しています。
受け取っていない場合は、加入していないか、会社側が労働者に交付を忘れていることが考えられますので、バイト先に確認しましょう。
3.ハローワークに問い合わせる
そのほか、ハローワークに問い合わせることでもわかります。どうしてもバイト先に聞きづらい場合は、ハローワークに問い合わせましょう。
失業保険(雇用保険)の受給要件
失業保険(雇用保険の基本手当)に加入していたとしても、もらうには受給するための要件が定められており、離職の日以前2年間に12カ月以上の被保険者期間が必要になります。働いてすぐに辞めて失業手当をもらうことはできないので注意しましょう。
受給要件
- 原則、離職の日以前2年間に12カ月以上(各月11日以上)被保険者期間がある。
- 倒産、解雇などによる離職の場合、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由による離職の場合は、離職の日以前1年間に6ヶ月以上被保険者期間がある。
そのほか、失業保険は就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあることが要件になるため、次のような状態にあるときは、基本手当を受けることができません。
- 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
再就職を目指す人の支援制度ですので、就職する意思がない場合には支給されません。状態によっては支給可能となる場合もありますので、一般的な内容に該当しない場合などは、ハローワークに相談しましょう。
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