モチベーションの高い人材が集まる会社・お店の法則

優秀な人材を集めることは、会社にとって何としても達成したい大きな課題です。高額の求人広告費をかけても、必ずしも結果を伴うとは限りません。逆に、お金をかけなくても人集めに苦労せず優秀でモチベーションが高い人材を集めることができている会社もあります。そんな会社、お店の秘密、法則を解説します。

優秀な人材が集まる会社・お店は「ファン」が多い

ディズニーランドや行列のできる人気店、高級ブランドショップなどは、スタッフの接客態度が凄く良く、お客様からも良い印象であることが多くあります。そういった会社、お店は教育体制がしっかりしているということももちろんありますが、それ以上に、「そこに憧れの気持ちをもって応募して働いている」ことが大きな要因です。

「ファン」というのは「憧れている」「好き」という気持ちを持っています。例えばディズニーランドでアルバイトとして働くスタッフは、求人に応募する前からディズニーランドのファンで、実際に行ったこともある可能性が高く、「そこで働きたい」と思って応募するという行動をとることが考えられます。

つまり、優秀な人材が集まる企業は、求職者が応募する、しないに関わらず、一消費者の時点でその会社のことを知っているというケースが多くあります。

もちろん、そうではない場合も考えられますが、ディズニーランドは来客数が日本トップのテーマパークなので、ファンも相当数いると考えられ、多くの応募が集まり、そこから選考をしているのでモチベーションが高く優秀な人材を確保できる確率が高まっているのです。

「ファン」という気持ちを持って応募して採用されたスタッフは、他のところでアルバイトをするよりもモチベーションが高く、生産性も上がりやすいと言えます。テレビで企業の経営者が語る番組や本屋に並ぶ社長の書いた本なども「ファン」を作るための要素になります。お店など現場での体験だけでなく、そうしたツールでも経営者の考え方、思い、理念などを知って、会社に好感を持ったり理解を深めたりして「ファン」になっていくということはありえます。

「お店のファン」は「優秀な人材」の有望候補

「ファン」がなぜ「優秀な人材」になりえるのかというと「会社、お店や社長、店長の考え方、理念、大事に思っていること」を好意的にとらえて理解している可能性が高いからです。

「ファン」が多い会社、お店というと「大企業、有名企業しかファンはいないのでは？」と思う人がいるかもしれません。しかし実は「ファン」は知名度の高い企業やお店ではなくても集まります。
例えば飲食店、アパレル、他のお店でも店員さんとよく話すお客さん、常連さん、ヘビーユーザーはそのお店の「ファン」である可能性が高いのです。

個人経営の小さな居酒屋さんで、常連さんが初見のお客さんに対してあれこれお店のことを紹介したりおすすめを伝えたりしているのも、「お店のファン」だからだと言えます。こういった人は「お店のことをよく知っている」「店長やお店のことが好き」という属性を持った人なので、お金をかけて求人媒体に広告を出す前に、まずはそういった人にアプローチするという方法をおすすめします。

方法としては、店内での貼り紙でも良いですし、お客様に送るDMに求人募集の紙を同封しても良いでしょう。「あのお店で求人募集してるのか」と知ってもらうことで「どうせ働くならあのお店がいいな」と思ってもらえれば応募につながります。

会社を好きになったスタッフは辞めにくい

働き始めるまではお店や会社の「ファン」でない場合でも、長く続けている人はたくさんいます。長く続ける理由としては給料やシフトなど条件もありますが、「店長がいい人だから」「いい会社だから」「いいお店だから」というような理由、つまり「ファン」になって働き続けている人もいます。

「スタッフにお店のことを好きになってもらう」には「お客様にお店のことを好きになってもらう」のと同じくらいのパワーが必要です。

「店長が毎日頑張って仕事をしている姿に好感を持つ」ということもありますし、「気にかけて接してくれる」「わからないことがないようにフォローしてくれる」など、働いている人にとって「ここだと安心して働けるな」と感じてもらうことで、会社、お店、店長を好きになってもらうということができるようになります。

「成長できる環境」がモチベーションになる

成果主義や高時給だけがモチベーションにつながるのではありません。むしろ、行き過ぎた成果主義は失敗している会社も多く、給料を上げる、時給を上げるというのも、一時的なモチベーションアップにしかつながりにくいものです。時給がアップしても「翌月からはその時給が当たり前」という感覚になってしまうので、一時的な効果に過ぎない場合があります。

従業員の長期的なモチベーションアップのためには「そこで働くことによって何か学びたい・成長したい」という気持ちを満たすことができる環境を用意する、そういった職場にするということが重要です。

アルバイト、パートさんの退職する背景、心理として「（責任者が）何も教えてくれなかった」「お店でこうすればいいのではという提案が全て却下された」というような、上司や責任者がきちんと向き合って対応していれば辞めるという道を選ばなかったであろうケースがしばしばあります。

「仕事を教わって貢献したい気持ち」や「お店のためにいいと思うことをやりたい気持ち」が、お店、店長のほうから否定されてしまっているということです。

やりがいのある仕事を与え、責任感をもってもらうことが日々のモチベーションにつながり、また、上司や責任者、店長と従業員のコミュニケーションをしっかりとって、「できるようになったこと」や「皆のためになって良かったこと」などを評価し、感謝することで「もっと頑張ろう」という気持ちが生まれてきます。

パートさんの実態、属性を知ることで、効果的な求人の方法や戦略を検討しやすくなります。
»普通にいるパートさんの横顔は？実態・属性まとめ