すぐに辞められないアルバイト時給の決め方~長期的にもコスト減
求人募集をするにあたって、アルバイトの時給をいくらにするのかというのは悩ましい問題です。高すぎると人件費がどんどんかかってしまいますし、安すぎるとそもそも応募がないということにもなりかねません。今回は時給の決め方について、「応募が多く集まり、採用活動に余裕が生まれ、辞められにくく長期的にもコストが減る」ための秘訣、具体的な方法解説します。
地域1番の時給を提示する
今回紹介する「時給の決め方」ですが、最も応募が集まり、長期的にも辞めにくい(採用コストが抑えられる)ようにするための方法は「その地域で1番の時給を設定すること」です。
アルバイト、パートを探している人の重要なポイントとして「時給」「エリア(地域)」があります。自分が通いやすいところで高い時給の求人があれば、応募してみようという気持ちに傾き、結果として応募が集まりやすく、高時給なので辞める人は少なくなる傾向にあります。
最も高い時給にする、と言っても最低賃金を大きく超える場合は多くありません。自分の会社、お店の周辺エリアのなかで少しだけ高い時給を設定すれば良いでしょう。周辺の時給よりも50円~100円くらい高い金額にすればトップになります。
多くのアルバイト応募者は、それほど広い地域からバイト先を選んでいるわけではなく、自分が通いやすいエリア、例えば通学路や自宅周辺などからまず探す傾向がありますので、広い地域でダントツで一番の時給にする必要はありません。
どうやって1番にするのか、という方法ですが、基本的に3つの方法があります。
- 「求人情報誌で自分の会社・お店の周辺の時給を調べる」
- 「求人サイトでエリアから検索して調べる」
- 「近隣の店舗にあるバイト募集の貼り紙を見て調べる」
このようにして調べた結果の時給に少し上乗せした金額を時給として設定します。求人情報誌は特に、地域ごとの情報誌があれば細かくわかる場合が多いでしょう。貼り紙を実際に見て調べるのも非常に有効な方法です。
貼り紙は求人情報誌や求人サイトに出ていない求人がある場合も多く、飲食店やコンビニなどは他店舗と比べられることも多いので足を使って探すことで得られる情報は多いでしょう。
職種が全く違うもので高い時給が設定されていてそこまでは出せない、という場合は同業種、同職種という括りで考えてみましょう。
なお、「バイト 平均時給」といったキーワードで検索をすると、求人媒体が調査して公開している地域や業種ごとの平均時給(賃金)がわかりますが、これはあくまで全国平均、都道府県単位での平均です。自分の会社やお店のある地域はもっと狭いので、それを直接の基準とするのではなく、目安の一つとして見ておきましょう。
ここで手を抜かずにきちんと調べて時給を決定することが、長期的なコストダウンにもなります。
昇給頻度よりスタート時の時給が重要
地域1番の時給にする場合、昇給規定は関係なく、勤務スタート時に1番になるように設定することが重要です。
応募者にとっては実際に昇給できるかはわかりにくく、スタート時の時給のほうがインパクトがあるという理由から、細かい昇給の頻度や金額条件よりも、最初から高い時給がもらえるということが重要になります。
求人の中には、入社してからの頑張りでどんどん昇給があります、という昇給頻度や金額にメリットものもあります。もちろんこれもないよりはあったほうが良いものですが、細かい昇給条件までは求人広告に記載するのは難しく、また、応募者の心理として、書いてはあるものの果たして自分が実際にうまく昇給できるかという点も不安もあります。
昇給チャンスの回数やアップする金額が他社より良い、というケースもありえますが、他社事情を網羅することは実質的に不可能であり、応募者もまず提示されている時給を基準に考えますので、やはりスタートから高い時給であることをアピールするほうがおすすめです。
高い時給は長期的にコスト削減につながる
時給をあえて高く設定することで、1年もしくはそれ以上の長期的に見た場合もコスト削減になります。
高い時給で昇給が少ない場合と、低い時給で昇給が多い場合をデータを比較した場合、1年間で見てもコストは同じになり、2年目以降も考えると、高い時給を設定したほうが総コストが抑えられるからです。
ここで、時給1000円で昇給1回の場合と時給950円で昇給3回の場合の1年間(12か月)のコスト比較をしてみます。仮に、1日3時間・週3日ペースで月に36時間働いた場合について、年間にかかる費用を試算したデータです(単位:円)。
この表のように、最初の時給を高く設定したとしても、低い時給で昇給頻度が高い場合と1年を通じて計算した場合、かかるコストは同じになります。
年間で計算した場合に同じコストであるならば、最初に高く設定しておいたほうが応募者も増え、辞めにくい可能性が高くなるので、2年目以降を踏まえても、長期的にコストが抑えられる計算になります。雇用しているアルバイト従業員に対して支払う給料以外に、求人広告・媒体にかかる費用、時間も抑えることができるのは長期的に見ても大きな金銭的、時間的な利点があります。
時給が高いところは応募数も増えやすい
時給を高くすると、応募数が増える傾向にあります。上でも解説しましたが、「時給」は応募者の大きな判断基準になっているからです。
店頭での貼り紙にせよ求人媒体での掲載にせよ、応募者がいなくて採用・選考の余裕がないということがなくなる可能性が高まります。応募者が少ないと、妥協して採用してしまおうとする気持ちにもなりかねませんが、複数の応募者が継続的に来るようになれば、選考に余裕が生まれます。
応募数が増えることで、より良い応募者と出会える確率も上がりますので、高い時給で求人募集をすることで相性が良くて辞めにくい応募者の獲得に繋がれば、長期的に見ても求人にかかるコストも抑えられることになります。
時給が高いと辞めるのを防ぎやすい!?
地域で1番の時給を設定して払い続けていれば、他の要因でよほど不満がない限りは、辞めたいと思う人は少ないです。
一度採用されてある程度の期間働けば、辞めることにもエネルギーが必要になりますし、時給の満足度が高ければ、新しいバイト先で一から人間関係を築くことも考えると、わざわざそこよりも時給が低い他店舗に移ろうとする人は少ないからです。
このように、時給はアルバイトの心理に大きく影響するもので、満足度が高ければ辞めにくくなります。もちろん、時給以外の不満がそれを上回ると辞めてしまいますので、それ以外の部分、例えば人間関係や職場環境を良くする努力、働きやすい環境づくりは雇用者が努力しなければならない要素として必要です。
以上の通り、今回は、応募効果を高め、すぐには辞められないバイトの時給の決め方についての秘訣、具体的な方法を紹介しました。
求人広告やチラシに記載する場合の書き方はこちらで解説しています。時給を決めて求人募集をする際には、参考にしてください。
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