日本保育サービスの求人を徹底解剖！アスクで保育士の仕事ってどうなの？

こんにちは、マイベストジョブ事務局です。東京都や神奈川県など13都道府県でアスク保育園などを展開する「日本保育サービス」の保育士の求人について同社の松崎さんに話を聞きました。

日本保育サービスとは

日本保育サービスは、国内外での保育事業のほか、給食・食育事業、子どもの発達に関わる研修・研究事業、保育関連用品の物販事業などを展開するJPホールディングスのグループ会社です。

同社はアスク保育園をはじめ学童クラブ、児童館を運営しており、保育園は209施設です。そのほかの施設との総数は285施設で、5842人の従業員が在籍しています。

同社は「安全・安心を第一に、子どもたちの思い出に残る施設」「保護者や地域の人たちから求められる施設」、そして「職員が楽しく働けること」を運営理念に掲げ、子どもたちと保護者の支援だけでなく、保育士が働きやすい環境、制度づくりに努めています。

休暇制度の構築をはじめ、時間外労働の削減などによりプライベートの充実を図るほか研修制度も充実しており、階層や目的に応じた100種類以上の研修を受講することが可能です。

これらの施策により同社は、従業員の子育てやキャリア形成などを支援する企業として、厚生労働大臣が認証する「プラチナくるみん認定」を受けています。

保育士の育成と定着を目指し、さまざまな取り組みを行う園の様子を紹介します。

※施設、従業員の数ともにグループ会社・アメニティライフが運営するGENKIDS保育園（5施設）を含みます（2020年現在）。

応募資格と面接について

アスク保育園・GENKIDS保育園の保育士への応募は、保育士資格を取得している人であれば実務経験がなくてもブランクがあってもOK

保育士資格があれば未経験、ブランクがあっても大丈夫

アスク保育園への応募は、保育士資格を取得している人であれば実務経験がなくてもブランクがあってもOKです。

面接には履歴書・職務経歴書・資格証のコピーと原本が必要です。

面接は、基本的には園長と応募者1対1で行われますが、本社・本部の採用担当者や園の主任が同席する場合もあります。当日は、園長か主任の案内で園を見学した後に面接へと移ります。園見学が30分、面接が30分～1時間ほどなので、面接は約1時間～1時間30分を予定しておきましょう。

面接の質問は「仕事のやりがい」や「大変だったこと」「それをどのように乗り越えたか」など

面接で聞かれること、質問の意図について説明します。

過去の経歴や退職理由を確認するのは、応募者がどんな仕事を経験してきたのか、その中で疑問や不満に感じたこと、応募会社に期待していることなどが見えてくるからです。

仕事へのやりがい、仕事をする上で大変だったエピソードからは、職務を通じて社会に貢献することにどのような価値を感じているのかをヒアリングすることができます。保育士であれば、本人の保育観などを知ることができます。保育観などは、「子どもとかかわる上で大切にしていること」にもつながる内容で、保育士の採用では最大の要となります。

面接ではどんな保育を実現したいのか、コミュニケーション力があるかどうかを確認

面接では、上記の質問を通じて、アスクでどのような保育を実践していきたいか、またコミュニケーション力があるかどうかを確認されます。

保育に対する姿勢だけでなく、コミュニケーション力を重視する理由は、良質な保育を提供するためには保護者や職員とのコミュニケーションが欠かせないからです。

面接などでは、自分の考えなどを相手に伝えるために論理的に筋立てて話すことが大切です。ただ注意してほしいのは、よどみなく流ちょうに話したとしても、相手の質問からそれた回答を一方通行にしゃべるのでは、コミュニケーションとは言えません。

相手の話や気持ちをしっかりと読み取り、内容にそった受け答えをするなど、互いの呼吸を合わせ理解を深めながら会話を進めることがコミュニケーションの本質です。

面接は初めての人と接するので緊張しますが、言葉だけに頼らず、表情や話すトーンに意識を払い、時にはジェスチャーを交えながら表現力豊かに意志の疎通を図りましょう。

保育士の仕事と勤務について

アスク保育園・GENKIDS保育園では英語や体操、リトミックは専門の講師が担当。保育士は子どもたちが楽しく取り組めるように補佐役を務めます。

知育・食育プログラムの実施や発達支援の専門チームにより保育活動をサポート

アスク保育園では、子どもたちが自ら成長するきっかけをつかみ、生きる力を獲得できるよう、長期的な視点で保育プログラムを構築しています。アスク保育園を例に挙げて、プログラムを紹介します。

英語や体操、リトミックは専門の講師が担当します。保育士は子どもたち一人一人が楽しく取り組めるように補佐役を務めます。

そのほかの業務は子どもたちの出迎えと見送り、散歩や食事、午睡のサポートと見守り、保護者との連絡帳の記入、保育日誌や指導計画の日案・週案・月案の作成、行事の準備と実施などです。

日々の保育活動をイメージできるように、1日の流れも紹介します。

保育士の業務負担を減らすためサポート役のアルバイト先生も配置

保育士の仕事は日々の保育活動だけでなく、計画案や資料、装飾物の作成など多岐にわたります。そのため、保育業界では事務作業などは自宅で対応するのがなかば当たり前になっていました。

アスクでは持ち帰りをなくすため、装飾物などを近隣の園と共有したり、行事を合同で開催したり、各エリアで協力体制を整えています。
また、朝の開園や夜の閉園にはサンライズ先生やスターライト先生といったアルバイトの保育士を採用するなど、保育士が日中の保育活動に専念できるように、また保育時間内に事務作業が終わるように配慮しています。

園の開所時間に合わせたシフト制で勤務

開所時間は、自治体の基準に合わせて7：00～20：00や、夜遅く働く保護者のために7：00～20：00など園によって異なります。

保育士の勤務は、週5日、実働8時間勤務です。シフト例は下記のA～Eなどで、土日出勤の場合は翌週に振り替え休日を取得できます。

研修制度について

アスク保育園では、新規採用者に向けて研修を実施。 初日はオリエンテーションがあり、その後は現場に出て保育活動を学びます (OJT研修)。

OJT研修で実務を習得するほか階層別・自由選択研修でスキルアップ

アスク保育園では、新規採用者に向けて研修を実施しています。

初日はオリエンテーションで、その後は現場に出て保育活動を学びます (OJT研修)。

そのほか、自然災害や不審者に対処する安全管理、感染症予防のための衛生管理、花粉や食物へのアレルギー対策など、保育施設で求められるリスクマネジメントについては、マニュアルの内容にそって内容をしっかりと覚えます。

採用時以外にも、東京本部で階層別の研修があり、年に一度の参加が基本義務付けられています。保育士のレベルや役割に合わせた内容で、実践力を養えるのが特徴です。同研修は保育士同士の意見・情報交換も盛んで、同じ階層ならではの思いや気づき、悩みなどを共有する場となっています。

東京本部で行われる研修はほかにもあります。毎月の自由選択研修で、事前に申し込みを済ませておくと参加できます。内容は手遊び・歌遊び、運動会の取り組み、感染症について、個別指導計画の立て方、保護者支援・相談支援技術、防災・災害対策など種類は豊富で、目的に応じて受講できます。

その他、各エリアでも救命や危機管理、発達段階論などの研修が行われています。日常で起こりうる事故や課題に迅速に対応するため、日々成長を遂げる子どもたちに適切な保育を提供していくことが主な目的です。

園長の推薦により海外研修への参加も可能

アスクでは、オーストラリアやニュージーランドの保育施設に保育者として入り、保育活動を体験できる海外研修も実施しています。

そのため、各研修を通じて知見を広げ、保育に活かすなど園長から推薦を受けた人が対象となっています。

園では、保育士が意欲的に、そしてやりがいを持って働ける環境づくりを目指しています。自ら学ぶ姿勢を示し、保育士としての資質を磨いていきましょう。

アスクの給与と福利厚生について

アスク保育園の給与は東京都の認可保育園で上限約33万円

アスク保育園は13の都道府県で運営されていて地域、経験により給与は異なります。

アスク保育園　給与一覧（正社員）

厚労省の統計データでは残業込みで月給約24万円が平均

保育士の賃金は、月額約24万円といった統計データがあります。年間賞与などは約38万円で、平均年収は約326万円となります。
※企業規模1000人以上の値。平均年齢は31.1歳、平均勤続年数は4.9年（厚生労働省・平成30年賃金構造基本統計調査参照）。

まず月の給与について、統計データは残業時間を入れた金額です。アスクの給与は残業代を含まず、時間外労働をした場合は全額支給されます。

賞与については、アスク保育園は年に2回で基本給の2.4カ月分が支給されます。給与一覧の下限の基本給で算出してもアスクは約40万円となります。

年収については、アスク保育園を例に挙げると、前述の統計データと勤続年数とほぼ等しい5年目で約385万円です。

アスク・GENKIDSいずれにおいても、保育士としての経験値が給与に反映されるので、平均を上回る給与は十分に可能です。

社員寮や借り上げ社宅により家賃負担をサポート

産休、育休といった福利厚生のほか、住まいに関するサポートがあります。

アスクには社員寮があり、東京都と神奈川県に各3施設、神奈川には男子寮も1施設あります。寮費は1万円で、食堂にて食事の提供も行われている場合もあります。

寮以外にも借り上げ社宅制度があり、法人契約した社宅に住む場合も費用は1万円です。すでに自分で借りている住宅についても、要件を満たせば名義変更ができ、自己負担は1万円になります。

借り上げ社宅や家賃サポートが受けられるのは、自治体が補助制度を実施している地域で、首都圏や関西圏が中心です。理由は、「地方に比べ家賃や物価が高い」「保育士が不足している」などが挙げられます。

住居費が収入を占める割合は大きく、多くの人にとって負担です。家賃が減ると自由に使えるお金が増えるので、実質的な給与増と考えることもできます。家賃補助があることで、勤務地の選択肢が増えることもメリットの一つです。

評判や雰囲気について

保育士のおもな離職理由は長時間労働と給料、人間関係

保育士が辞める理由として多いのは、労働時間と給料、人間関係への不満です。「帰りが遅くてプライベートがない」「残業しても、ほとんど残業代がつかない」「先輩・同僚、保護者とうまくいかない」といった声があり、離職につながっています。

アスク保育園では、正社員の保育士の長時間労働を改善するために、早番、遅番専門のアルバイト（保育士）を採用し、月の残業を6～8時間に抑えています。そして、発生した残業については全額支給しています。

人間関係においては、エリアごとにブロック長や副ブロック長といった管理者や本部の職員が、各園のサポートにあたっています。例えば、ブロック長や副ブロック長といった園長の上席者が園長のサポートを行ったり、園長などに相談できない事柄について、本部の職員が保育士の本音や悩みをヒアリングし、問題や課題の改善を図っています。

また、保護者からの意見や質問対応についても、本社・本部が各保護者に園の状況やルールを説明したり案内したりするなど、保育士個人に負担がかからないように努めています。

こういった支援策の背景には、運営母体のJPホールディングスの思いがあります。というのも、同社が保育事業を始めたのは、自社の従業員のために託児所を開設したことがきっかけで、「子育てをしながら、安心して働いてほしい」という願いが原点になっているからです。

アスクの保育士は22歳～65歳で、平均年齢は31.89歳です。男女比は女性が9割、男性が1割です。
全国で見ると、男性保育士は全体の約0.5割なので（※）、アスク・GENKIDSは男性保育士の割合が高いと言えるでしょう。
（※厚生労働省・平成30年賃金構造基本統計調査参照）

保育士あるいは社会人としてある程度の経験を積んだ30代や、転職率が高い男性保育士の数が多いことから、園の待遇改善が実を結んでいる様子がうかがえます。

まとめ

ここまでお話ししてきたように、アスク保育園では保育士のサポートに力を入れています。働きやすさを主軸にした体制づくりが進む中、保育士に求められるのは、保育者として本分を尽くすことです。

今回取材した松崎さんは「私どもには、『こどもたちの笑顔のために…』という理念があります。この思いに共感していただける方、この思いを実現するために主体性を持って保育に向き合える方に来ていただきたいですね」と話します。

そして、個の力と同じくらい大切なのがチーム力です。保育士としての役割を果たしていくためには、まわりの協力が欠かせません。なぜなら、どんな仕事も一人で成し遂げるのは難しいからです。良い仕事を長く続けていくためにも仲間とのコミュニケーションを心がけ、自ら働きかけていくことが大切です。