ナチュラルローソンの店長の仕事って?運営するサンフミーの正社員の仕事についても聞いてみた
こんにちは、マイベストジョブ事務局です。健康と自然に配慮した商品を展開するナチュラルローソンの店長の仕事について、フランチャイズオーナー「サンフミー」代表の中村さんに話を聞きました。
この記事の目次
ローソンについて
国内の店舗数では業界3位に位置するローソンは、国内に1万4721店舗、海外に2547店舗を出店しているコンビニエンスストアです。
運営元の「株式会社ローソン」では、コンビニのローソン以外にも、自然志向の「ナチュラルローソン」や均一価格の「ローソンストア100」といったブランドを創設し、直営店とフランチャイズチェーンにより店舗を展開しています。
他社とのシェア争いが激しいコンビニ業界において、事業拡大の核となるのは加盟店の増加で、同社ではその主力となるフランチャイズオーナーの支援に力を入れています。例えば、同社のスーパーバイザーが毎週店舗に訪れて意見交換の機会を設けるほか、社内と社外にオーナー専用相談窓口を開設し、随時相談に対応しています。
社内窓口で同社の専門スタッフが対応するだけでなく、社外窓口は法律事務所内の専用ダイヤルに通じる仕組みになっていて、社内以外の人に相談をしてアドバイスを得ることができます。
フランチャイズオーナーとのコミュニケーションを強化し、コンビニ業界を取り巻く課題の発見と改善に取り組んできた同社は、店舗数増を実現しているようです。
※店舗数はローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100を含む2019年11月報告の数字です。
都内10店舗運営のサンフミーについて
サンフミー株式会社は、株式会社ローソンの元従業員だった中村文彦さんが設立した会社で、2007年に同社にとってフランチャイズ1号店となる店舗を渋谷区代々木にオープンさせました。
2010年には東京都新宿区に本社を置き、現在は東京都内(渋谷区、品川区、世田谷区、中央区、港区)にナチュラルローソン8店舗とローソン2店舗を運営しています。
従業員数はアルバイトを含め約100人で、その中で店長や副店長職、本社業務を担当するスタッフなど正社員として勤めているのは19人です(2020年現在)。
健康に配慮し、素材にこだわった商品づくりを行うナチュラルローソンに共感したことをきっかけに、フランチャイズオーナーになった中村さんが運営するナチュラルローソンやローソンの正社員について紹介します。
面接について
応募資格は高卒以上、面接では志望動機、経歴、将来の夢について質問
サンフミー運営のナチュラルローソン・ローソンの正社員の募集対象は高卒以上(18歳以上)で、経験不問です。
【応募から面接、採用までの流れ】
応募
↓
オーナーから電話連絡。面接日時確定
↓
面接(履歴書・職務経歴書持参)
↓
面接後、約3日以内に採否連絡
↓
入社に必要な書類などを提出
↓
希望日から勤務開始
面接は、オーナーと応募者1対1で1時間ほど行われます。面接時には志望動機やこれまでの経歴、将来の夢などについて質問があります。
これら3つの質問が面接で聞かれる理由として
志望動機からは、ナチュラルローソンやローソンのどういったところに魅力を感じ、どのようにそのブランドや店づくりに貢献していきたいのか。
過去の経歴からは、これまでどのような仕事に携わり、どのような働き方をしてきたのか、応募先の会社・店舗ではどういった強みを生かしてもらえるかを読み取ることができるからです。
将来の夢では、仕事に関してどのようなビジョンを持っているのか、応募先の会社・店舗でどのように成長していきたいのかを知ることができるからです。きちんと目標を持っている人は、実現するために努力するなど仕事への意欲が高いことから、同店でも将来像について質問があります。
正社員は店長として店舗運営を行う立場になるため、自分の意志や判断のもと、責任をもって行動する積極性や主体性を持っている人が望まれます
「コンビニの気軽さとこだわりの商品展開が魅力のナチュラルローソンで、これまでの小売業の経験を生かしていきたい」「起業するのが夢で、ゆくゆくはフランチャイズオーナーとして独立したい」など、ローソンで働く意志と今後の展望をしっかりと伝えましょう。
仕事と研修について
店舗責任者として営業目標や売上の管理、人材育成などを担当
サンフミーが運営するナチュラルローソン・ローソンの正社員は、店長候補として店舗や人材の運営・管理を行います。
店舗業務として挙げられるのは、
- 接客やレジ業務
- 商品の品出しと整理、補充、回収
- パンの焼き上げ(ナチュラルローソン)、揚げ物などの調理(ローソン)
- コーヒーメーカーやコピー機、ATM機器の管理
- 公共料金や携帯料金などの収納代行
- チケット発券やネット商品受け渡しといった代行サービス
などです。
上記はクルー(アルバイト)も行いますので、フォローも正社員の仕事です。これら店舗業務のほか、商品の発注や店舗の衛生管理、売上目標の設定と運用、クルーの教育や勤怠管理を担当します。
やるべきことは多岐にわたりますが、店長に必要な経営の知識や人材育成のノウハウを学べることがメリットです。
店舗でのOJT研修のほかローソン本部での研修も受講可
入社後は、店長からOJT形式で仕事を教えてもらいます。期間は約1週間ですが、その後は店長のほか、クルーなどから日々の店舗業務について教えてもらえます。
また、ローソン本部で実施されるクルー育成やリーダーシップ研修、経営に関する研修に参加して、自分の興味のある分野について学ぶ機会も用意されています。ローソン本部では、フランチャイズオーナーが円滑に店舗運営を行えるようサポート体制を整えていて、これら研修もその一つです。
ローソンに限らず、販売店スタッフの多くはアルバイトで、お店のイメージを左右する存在です。店長は、売上を上げていくための営業努力が欠かせませんが数値を追うだけでは不十分です。設定した目標を達成するためにはアルバイトの協力が不可欠で、きちんと育てていくことが重要な使命です。
ブランドイメージを損ねないように、ローソン共通の接客マニュアルなどはありますが、現場で見本となってクルーを導いていけるよう、研修などを受けてスキルを磨いていくことも必要です。
給与や昇給、シフトについて
給与は21万4100円~、ボーナスは年に2回支給
サンフミーの正社員の給与は、21万4100円~36万5100円です。
<内訳>
基本給⇒176,000円~300,000円
固定残業代⇒38,100円~65,100円(30時間/月)
※30時間以上の残業代については別途⽀給
※上記は2020年2月時点のものです
*住宅手当5,000円
*役職手当2,000円~100,000円
*家族手当(扶養範囲内)2,000円/一人当たり
賞与は7月と12月の年に2回で、支給実績として年間25万円~85万円が支給されています。また、業績に応じて支給される決算賞与も、支給される場合があります。
給与アップは基本的に定期昇給(勤務年数などに応じて毎年昇給する制度)で、毎年5月に行われる人事考課により昇給額が決まります。
勤続1年目で年収約280万円(給与21万4100円、賞与25万円の場合)
勤続5年目で年収約400万円~520万円
近年、定期昇給を実施する企業が減り、個人の成果や能力を評価基準にした昇給制度を採用するところが増えています。そういった背景をみると、年次で給与アップを見込めるのは魅力と言えるでしょう。
シフトは3交代制、週休2日でシフトはアルバイトの出勤状況に合わせる
同社の正社員のシフトは、基本的に3交代制です。
(2)13:00~22:00
(3)22:00~翌7:00
※休憩時間60分。
週休2日制(年間休日105日)ですが、固定制ではありません。クルーは2週間単位のシフト申請なので、その状況に合わせて勤務日が決まります。
ローソン本部では、セルフレジの導入を進めるなど人材不足の解消や業務の効率化を図っています。また、サンフミーが出店しているエリアはビジネス街が多いため、来客の動きが読みやすい状況があることからクルーの配置がしやすく、休日取得のスケジュールは安定傾向にあると考えていいでしょう。
福利厚生・キャリアアップについて
ローソン本部が用意する福利厚生のほかサンフミー独自の制度もあり
福利厚生は、ローソン本部が用意している制度を活用することができます。
レジャー面では、レストランやカラオケ、映画館といった施設や、レンタカーサービスが特別価格で利用できるほか、宿泊補助金制度があって国内外のホテル・旅館に宿泊した際、補助金が給付されます。
健康面では、インフルエンザ予防接種、人間ドック、健康診断の受診について補助金があります。また、スポーツ施設などで運動をする場合、対象施設であれば月会費に補助金制度が適用されます。
教育面でも補助金の利用が可能で、提示された通信教育講座の中から好きな講座に申し込んで受講することができます。国家資格・公的資格の取得であれば、補助金が増額されます。
慶弔見舞金制度もあります。結婚の際の祝い金、亡くなった場合の弔慰金、入院したときには見舞金が給付されます。
加えて、サンフミーでは2020年度から独自の慶弔金見舞制度も導入しています。勤務者本人が亡くなった際は、遺族に対してお見舞い金として年100万円が5年にわたり支給されます。
また、有休消化(10⽇間の完全消化)を推進していて、従業員が余暇を楽しめる制度、また学習により成⻑できる制度を構築するなど、働きがいのある仕組みづくりをしています。
サンフミーでは、従業員とその家族を⼤切にすることでチーム⼒を⾼めていきたいと考えています。
労働環境を整える波が業界全体に広がっているため、今後さらに改善が進むことが予想されます。
キャリアアップの道はマネージャー職や独立起業など
キャリアアップについては、サンフミーの店舗を統括するマネージャー職があるほか、フランチャイズオーナーとして独立起業する道、のれん分けとしてサンフミーの店舗を譲り受けて経営していく道などがあります。
コンビニの店長は、会社の社長のような存在と評されるほど多くのことを学べる仕事です。店舗を一つの組織として捉えるからで、お金や人の管理を行うことでマネジメント力、本社・本部と連携することで調整力を養うことができます。
転職したり別の事業を立ち上げたりする場合でも、世の中の流れを間近に感じられるコンビニで経験したことは強みとして生かすことができます。
評判や雰囲気について
店舗で働くのは20歳~51歳でコンビニ経験者が約6割
サンフミーが運営するナチュラルローソン・ローソンで正社員として働いているのは、20歳~51歳で平均年齢は33歳です。
コンビニ経験者は約6割で、フリーターなど20代~30代の未経験者が約4割です。経験者を年代で分けると、20代~30代が3割、40代2割、50代1割で、バイトもしくは正社員としてコンビニで働いたことがある人たちです。
前歴は、営業職や飲食店店員、美容師などさまざまです。ナチュラルローソン・ローソンには医薬品を扱う店舗があるため、ドラッグストアで登録販売者(一般用医薬品販売の資格を取得している人)として働いていた人もいます。
転職の理由としては、「将来的には、フランチャイズオーナーとして独立したい」といった声が聞かれますが、その前提として「ナチュラルローソンに興味を持ったから」という人がほとんどです。
口に入れるもの、肌につけるもの、そして流行に敏感な女性をターゲットに誕生したナチュラルローソンは、人気の料理やスイーツをえりすぐりの素材で作ったり、自然由来のコスメ・生活用品を販売したり、デリカテッセンや雑貨屋のような表情をもっています。また、焼きたてのパンや個性豊かなワイン、・ビールを提供するなど、ベーカリーショップ、輸入食材店のような一面もあります。
画一的なコンビニとは一味違った品ぞろえや店づくりに惹かれた人が多いので、全体として仲間意識が高く一体感のある雰囲気です。
まとめ
株式会社ローソンは、「私たちは”みんなと暮らすマチ”を幸せにします」という企業理念のもと、「マチの暮らしにとって、なくてはならない存在に」といったビジョンを掲げ事業活動を行っています。
競合が多い中、消費者から常に選んでもらうには、企業のブランド力だけでなく、街の人たちのすぐそばで働く店舗スタッフのサービス力も要因となります。
サンフミーの代表・中村さんは、もともと株式会社ローソンの社員だったこともあり「お客さまにとって、いつでも立ち寄りたくなる場所を作る」といった方針を理解していて、これを実現するためには「従業員が楽しく働くことが大切」と考えています。
「誰でも、怒られると気持ちがしぼんでしまいますよね。だから、ほめることを心がけています。仕事を楽しめないと接客の質が落ちてしまいますし、やる気も育ちません」と中村さんは話します。
ほめる際は、あいまいな表現ではなく、何がどのように良かったのかを説明することがポイントで、具体的に伝えるには相手のことを理解しておかなければなりません。そして、相手のことを知るにはその人を尊重する気持ちが必要で、相手を大切に思うことにより心を開いてもらうことができます。
サンフミーの店舗運営を担っていくのは、こういった社風に共感できる人、そして目の前のことを楽しみながら遂行していく人が向いているといえるでしょう。