最低賃金以下のバイト時給は違法!今すぐ確認したい対処法

最低賃金とは? 働く全ての人を守るルール

「最低賃金」とは、労働者が働いた際に支払われる賃金の最低限の額を指します。この基準は「最低賃金法」という法律に基づいており、アルバイト、パート、契約社員、正社員といった雇用形態に関係なく、すべての労働者に適用されます。

最低賃金には2種類があります。

  1. 地域別最低賃金
    都道府県ごとに定められる最低賃金で、地域の物価や経済状況を反映したものです。たとえば、東京都や大阪府など都市部では比較的高めに設定されていますが、地方では少し低めになる傾向があります。
  2. 産業別最低賃金
    特定の産業ごとに設定される最低賃金で、業種によって異なります。たとえば、製造業や運輸業など一部の職種では地域別最低賃金よりも高い基準が適用される場合があります。

最低賃金の金額は毎年改定され、地域別最低賃金は10月ごろ、産業別最低賃金は12月ごろに新しい金額が適用されます。この改定は労働者の生活水準を守るため、また、物価の上昇に対応するために行われています。

2024年の最低賃金の動向と全国平均

2024年の最低賃金は、前年に引き続き引き上げが行われ、全国平均で時給1,028円となりました。これは、2023年と比べて31円の大幅な引き上げとなり、過去最高額の改定幅です。東京都や神奈川県では1,150円以上に達し、一方で地方でも最低賃金が上昇し、生活コストをサポートする動きが進んでいます。

地域別最低賃金の一例(2024年)

  • 東京都:1,150円
  • 神奈川県:1,145円
  • 大阪府:1,120円
  • 福岡県:950円
  • 沖縄県:900円

このように、地域によって差があるため、自分の住む都道府県の最低賃金を確認することが大切です。最低賃金額は厚生労働省の公式サイトで随時更新されるほか、駅や役所、労働基準監督署などで掲示されるポスターでも確認できます。

最低賃金を下回っていないか確認する方法

最低賃金が守られているかどうかを判断するためには、自分の労働条件や賃金を正確に把握する必要があります。特に、時給ではなく日給や月給で支払われる場合は、自分で計算することが重要です。

時給の場合

時給で働いている場合は、契約時に提示された時給がそのまま最低賃金以上かどうかを確認すればOKです。

日給の場合

日給の場合は、支払われた日給を1日の労働時間で割り算して、時給を算出します。
例:日給8,000円 ÷ 8時間 = 時給1,000円
この場合、東京都(最低賃金1,150円)では最低賃金を下回っているため、対処が必要です。

月給の場合

月給の場合は、手当やボーナス、交通費などを差し引いた基本給を1か月の労働時間で割り算して時給を計算します。
例:基本給18万円 ÷ 月の総労働時間160時間 = 時給1,125円
この場合、大阪府(最低賃金1,120円)ではクリアしていますが、東京都では最低賃金を下回ります。

高校生やシニアも対象

「高校生だから」「65歳以上だから」といった理由で最低賃金が適用されないという誤解が一部でありますが、最低賃金は年齢や立場に関係なく適用されます。高校生アルバイトやシニアパートも同じ最低基準を守る必要があります。ただし、産業別最低賃金については、業種ごとの例外があるため、確認が必要です。

最低賃金以下だった場合の対処法

もし自分の時給や賃金が最低賃金を下回っている場合、その雇用契約は法律上無効となり、以下の方法で対応することが可能です。

1. アルバイト先に伝える

まずは、雇用主に事実を伝え、修正を求めましょう。多くの場合、雇用主も悪意がなく、単純なミスで最低賃金を下回っている可能性があります。誠意を持って話し合いをすることが解決の第一歩です。

2. 労働基準監督署に相談する

アルバイト先が対応してくれない、または悪質な場合は、最寄りの労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署では、最低賃金法違反の疑いがある場合、事業者に是正を求める指導を行います。

3. 差額分を請求する

最低賃金を下回る賃金で働いていた場合、その差額分を請求する権利があります。必要な場合は弁護士や労働組合などの支援を受けることも検討しましょう。

なぜ最低賃金が重要なのか?

最低賃金は、労働者の基本的な生活を守るために設定されています。これが守られないと、生活が苦しくなり、さらには地域経済や雇用全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

最低賃金違反がもたらすリスク

雇用主にとっても、最低賃金を守らないことは法律違反であり、罰金や社会的信用の低下といったリスクを伴います。特に悪質なケースでは、企業のイメージが損なわれるだけでなく、労働者の告発によって厳しい行政指導を受けることになります。

最低賃金を守るためのポイント

  • 定期的に確認:最低賃金は毎年変わるため、年に1回は自分の地域の基準を確認しましょう。
  • 周囲の情報を共有:同僚や友人とも最低賃金について話し合い、違反があれば早めに対応することが大切です。
  • 問題があれば相談:一人で悩まず、労働基準監督署や労働相談センターに相談して適切な支援を受けましょう。

まとめ

最低賃金は、働く人の生活を支える重要なルールです。2024年の最低賃金は全国平均1,028円と大幅に引き上げられました。最低賃金を下回る賃金で働くことは法律違反であり、泣き寝入りする必要はありません。自分の労働条件をしっかり確認し、適切な対処を行いましょう。

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